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流星Ⅱ 1 俺「ストライクウィッチーズね!」 531- 作者 ID zhe7qJGw0 総レス数 XXX このページでのレス数 XX 531 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 15 31.38 ID zhe7qJGw0 あらすじ 第501統合戦闘航空団"ストライクウィッチーズ"ができる前――北欧の地、森と湖の国スオムス。 ここには各国から"優秀な"ウィッチが集められた、"スオムス義勇独立飛行中隊"があった。 扶桑のエースとおちこぼれレズコンビ。ブリタニアの不良スモーカー。 リベリオンのお気楽巨乳。カールスラントのメガネ無口。 スオムスの苦労人。 この6人こそスオムス義勇独立飛行中隊。通称"いらん子中隊"であった。 そんな個性的すぎるメンツに俺は7人目のいらん子として飛び込んだ。 少しずつ、少しずつこの隊に馴染んでいく――いや、馴染んでしまう俺。 今日も俺はため息を吐きながら姉の形見の箒に乗り、ほうき星になるのだった。 「流星」 第二章 『虹色の乙女?』 532 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 20 28.44 ID zhe7qJGw0 俺「赤いリボンー?」 1940年2月21日。 昨日行われたヴォスク鉄橋への爆撃は無事に成功し、 次の作戦――明後日まで、今日という日を休日にする運びとなった。 ハルカ「そうなんですよ。今日の朝ちょっと早く起きたんですけど、そんな女の子を見まして」 今は朝食の時。並ぶ食事はいつものメニュー。 そこで迫水ハルカは話題を振ったのだった。 智子「ふーん‥‥朝ねぇ」 キャサリン「皆おつかれだったんじゃないかねー」 エルマ「寝てましたね」 ビューリング「赤いリボン‥‥か」 智子「寝ぼけてたんじゃないのー?」 一口サイズにちぎったパンを口に放り込みながら智子は言う。 533 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 25 10.36 ID zhe7qJGw0 ハルカ「うーん、そうだったんですかねえ」 俺「お化けでも見たんじゃないかー」 どうでもいいとばかりに適当な受け答えをすると俺はスープを口へ運んだ。 ハルカ「お、おばけ!?」 ガタッと机を揺らすハルカ。スープが溢れ、不機嫌な目になるウルスラ。 ハルカが予想以上に萎縮したのをみて、キャサリンの中の悪魔が目を覚ます。 キャサリン「この基地で昔落とされたウィッチね~‥‥ 飛べなくなった無念で、落ちこぼれのウィッチにとって代わろうとしてるね~‥‥」 両手をその豊満な胸の前で垂らし、いつもより低い声で演技している。 テンプレって感じ。 ハルカ「ひぃー!」 悲鳴と共に隣に座っている、今しがた朝食を食べ終わった智子に抱きつく。 智子「ちょっ‥‥そんなに怖がらなくても――ひゃぁ!」 もはや聴き慣れた声を耳にする。 ハルカの手はスカートの中に滑りこんでいた。 その手さばきは目で追うのがやっとだ。 534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 27 47.61 ID 1z6imQtl0 流星ktkr 週末はスタゲさんも来るかもだしハイレベルな面子が揃いそうだなw 535 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 30 18.59 ID zhe7qJGw0 すぐさま智子の拳がハルカの脳天に落下する。 ハルカの瞳が星型に変わった。 智子「あんたはほんとにもー!」 首をブンブンと振り普段の可愛らしい顔に戻るハルカ。 ハルカ「えへへ‥‥でも本当にあれはなんだったんでしょうか。ま、まさかほんとに」 キャサリン「ハルカは気を付けないといけないねー!」 俺「落ちこぼれって意味だったら、おまえもあまり他人ごとじゃないんじゃないか」 ウルスラ「非科学的」 智子「ま、第一中隊の子が今日から付けだしたとか、そんなんでしょ」 ハルカ「うーん‥‥」 どうにもハルカは納得がいかない様子。そんなに気になるもんなのか? ‥‥赤いリボン、ねぇ‥‥ 536 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 36 07.22 ID zhe7qJGw0 ……… …… … 俺達は朝食を食べ終わると、さっそく訓練をするため格納庫へ向かった。 前回の爆撃時のように、重たいものを持ったときの回避を学ぶらしい。 俺「それで? これなんだよ」 目の前には背丈の半分ほどのドラム缶が3本並んでいる。だいたい先日の爆弾と同じようなサイズだ。 智子「訓練で本物の爆弾使うわけにはいかないでしょ」 俺「まあ‥‥それで?」 智子「だからコイツに雪を詰めた奴を変わりに使うのよ」 俺「それでも重さがぜんぜん違うだろう」 前回作戦で使用した爆弾は60キロ爆弾。このドラム缶の重さは知らないが‥‥ ビューリング「何だ知らないのか」 俺「は?」 ビューリング「この隊にはなんでも出来てしまう魔法使いがいてな」 俺「‥‥」 12個の様々な色の瞳がこちらを見つめる。ため息。 537 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 40 22.44 ID zhe7qJGw0 エルマ「お、おねがいします! 訓練のためなんです!」 俺の表情を読んだエルマが頭をさげる。 ほんと、エルマはいい子だなあ。年上だけど。 キャサリン「減るもんじゃないねー」 俺「バッチリ魔法力が減るんだが」 ハルカ「お願いします!」 俺「‥‥はぁ」 この溜息は肯定のため息だ。仕方ない、という意味が込められている。 俺「‥‥‥‥雪を圧縮すればいいのか?」 ビューリング「たのんだぞ」 そんなセリフを吐く彼女の顔は憎たらしい笑顔だった。 ‥‥今度火がほしいって言ってきたら意地悪でもしてやろうか。 538 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 45 16.80 ID zhe7qJGw0 ……… …… … リュウセイが魔法を使いドラム缶に雪を詰めている。 人の手でやってもいいがこっちのほうが早いと言ってると、 いつものため息と共にやってくれた。 なんだかんだで頼めばやってくれるあたり便利‥‥いや、さすがに失礼か。 こんど酒でもおごってやろう。好きらしいからな。 ‥‥わたしも変わったな。こうやってマジメに訓練にも参加しているし、人に酒をおごろうとまで考えている。 あの頃のわたしが知ったらどう思うだろう。 そんなことを思いつつタバコを咥え―― またやってしまった。今わたしのライターは雪を詰める作業をしている。 交流にもなるだろうと今まで頼んでいたが、やはり一人で好きに吸えないのは拷問に等しい。 いや、あいつがそばにいるのが嫌というわけでもないのだが‥‥ ‥‥わたしは何を言っているのだろう。 今日の午後は久々に訓練をサボって買いにでも行くか。 と、彼がこちらを見ていた。‥‥こちら一人の都合で彼の作業をいちいち止めるのも悪い。買いに行こう。 そう決意するとわたしは息を吸いながら目配せし、彼の指の音を待った。 ‥‥仕返しでもしてくるかと思ったが、そんなこともなかったな。 539 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 50 14.01 ID zhe7qJGw0 ……… …… … 俺達は基地上空へ来ていた。 智子「じゃあとりあえずわたしからやるわ」 ハルカ「じゃあわたしもやります!」 三人がまずドラム缶を持って爆撃役をやる。 他の四人がネウロイ役をやるという寸法だ。 智子「じゃあ最後の一人は‥‥ウルスラ、お願い」 ウルスラはコクンと頷く。 俺「じゃあ三人とも、ドラム缶持って」 ドラム缶3本は全て俺が魔法で持ち上げている。 正直今日は魔法力を使い過ぎている。午後は休ませてもらうつもりだ。 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22 51 00.44 ID 0T8ZbbBu0 クソッ ビューリングとくっつける気満々じゃねーかクソッ 542 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 23 00 19.63 ID zhe7qJGw0 三人がしっかり持つのを確認すると浮かせる魔法を解除する。 ハルカ「おわっ! きゅ、急に重くなりましたね‥‥」 智子「これぐらい造作も無いでしょ、ウィッチなんだから。 それじゃあ始めましょう」 キャサリン「10数えるねー!」 キャサリンは大きな声で数字を数えだした。 まるで子供みたいだ。 その間にドラム缶を持った三人はそれぞればらばらの方向へ逃げる。 544 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 23 05 31.51 ID zhe7qJGw0 キャサリンが10を数え終わる。 俺「さて、どうす――」 キャサリン「待つねー!」 俺「お、おい!」 相談しようとした矢先、キャサリンはハルカの逃げた方向へ飛び出していってしまった。自分の実力をよく分かっているらしい。 ビューリング「‥‥まあいいだろう。あのイノシシ、いや牛か? ――にはハルカを追い回してもらおう」 エルマ「そ、そうですね‥‥」 俺「じゃあ残りはウルスラ、そして智子か‥‥」 エルマ「わたし、智子中尉に追いつける気がしません‥‥」 シュンとするエルマ。かわいい。 俺「だろうな、俺も自信ない。じゃあエルマはウルスラを、俺とビューリングで智子でいいか」 ビューリング「まあ、アイツ一人を退屈させるのもあれだしな」 そういうとビューリングは顔つきが変わる。 スイッチが入ったようだ。隊のエース相手ともなれば本気を出してもいいと踏んだのだろうか。 エルマ「じゃあ決まりですね。行きましょう」 各々がそれぞれの顔を一瞥すると、それぞれのターゲットへ向かって飛翔して行った。 732 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 20 08.54 ID izl/qcEN0 544から ……… …… … キャサリン「まつねー! ハルカー!!」 ハルカ「待てっていって待つ人は居ませんよー!!」 ハルカとキャサリンという、いらん子の逆2トップの世紀の対決がここに実現した。 爆弾という重りを持っているので、ハルカのほうが速度が遅い。 グングンとその距離は縮まり、キャサリンはハルカを射程圏に入れた。 今回は背中にタッチされると撃墜とするルールとなっている。 キャサリン「いくねハルカー! とりゃー!」 まっすぐハルカに突っ込む。敵に突撃する合図を送るとは、ずいぶんと律儀なネウロイである。 もちろんというか、横に避けるハルカ。 733 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 25 07.73 ID izl/qcEN0 キャサリンは勢い余って、急降下してしまった。 避けたハルカも持っている爆弾の重さに引っ張られバランスを崩し、よろよろと空中をさまよう。 キャサリン「おーっと! 勢いつけすぎたねー!」 大きく旋回しふたたび上空へ移動するキャサリン。 一方ハルカはなんとかバランスを修正し、安定した。 遠目で見るとあんなんでウィッチをやっているのが甚だ疑問であるかのようにフラフラと飛行する二人のウィッチ。 もはやいらん子のマスコットなのではないか。 遠くから見ていた智子はそう思いつつ頭をかかえるのだった。 734 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 30 13.79 ID izl/qcEN0 と、後ろから音が聞こえてくる。 振り返ると、リュウセイとビューリングが近づいてきていた。 智子「ちょっと、私には二人がかりなの?」 ビューリング「そうでもしないとエース様には手が届きそうにないんでね」 俺「余裕だろ? 巴備前さんなら」 ふたりとも微妙な笑顔を浮かべている。 口元だけなら笑っているようだが、その目は獲物を狙う目だった。 こいつら‥‥ 智子「こっちは爆弾なんて持ってんだから手加減しなさいよね!」 そう吐き捨てると、出力を上げた。 735 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 35 20.18 ID izl/qcEN0 速度を上げると二人も付いてくる。 重りがあるため普段より遅いらしく、簡単に追いつかれてしまった。 ‥‥振り切ることは不可能。ならば技術でかわし続けるしか無い。 水中の獲物に狙いを定めるように、上空から見下ろす二人。 と、リュウセイがまっすぐ突撃してきた。 智子「直線的すぎるんじゃないの!」 ギリギリまで引きつけ、体を振る。 手で持つ重りによる余剰な力を考慮して、適切な力で避けた――はずだった。 突撃すると思われていたリュウセイは直前で宙返り。 その影からビューリングが迫っていた。 736 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 40 10.85 ID izl/qcEN0 智子「くっ‥‥」 智子の動きを見てからビューリングは加速をかける。 智子「なら!」 急減速。すると普段よりも速い速度で落下していく体。 だがこれだけでは振り切れ―― と、ビューリングはまっすぐ過ぎ去ってしまった。 智子「ふふん、なによ。おじけ――」 俺「どこを見ている!」 ほぼ垂直に落下してきたリュウセイの手が私の背中に触れた。 737 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 45 09.89 ID izl/qcEN0 ……… …… … エルマ「てぇーい!」 上から降りてくるエルマをウルスラは軽く右へかわす。 エルマ「うわっとと」 勢いが少しつきすぎていたエルマは高度を維持しようとする。 その上の空間へウルスラが陣取った。 エルマ「うっ‥‥その重し、落とさないでくださいよ?」 肯定も否定もしないウルスラにエルマは少しだけ、ほんの少しだけ恐怖した。 追う立場だったはずなのに、いつの間にか振りきらなくてはならない状況になってしまっている。 なんとかしないと。 エルマは体を左右に揺らし、隙をついて上昇した。 今度はこっちが上を取る! と、ウルスラの居た方を見るともうだいぶ距離を離されていた。 あわてて、ウルスラを追い始めるエルマ。 この間、ウルスラは涼しい顔をしていた。 738 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 50 22.58 ID izl/qcEN0 ……… …… … キャサリン「もらったねー!」 ハルカ「ひゃー!」 さっきから変わらない調子でフラフラと、まるで虫が飛ぶように規則性のない動きで飛び回る二人。 もう何度目かわからないキャサリンの降下をハルカはすんでのところでかわそうとした。 が、伸ばしたキャサリンの手が爆弾という名のドラム缶に当たってしまった。 ハルカ「うわあ!」 キャサリン「あうち!」 急に別の力が加わったドラム缶は、ハルカの手を離れ空中に放り出されてしまった。 慌ててドラム缶を追うため降下するハルカ。 キャサリンはどうやら不意にあたったドラム缶が痛かったらしく、手に息をふきかけている。 ドラム缶は予想以上のスピードで落ちていく。 ハルカも追いつこうとスピードをあげる。 739 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 55 13.02 ID izl/qcEN0 ハルカ「――っとどいた!」 ドラム缶を両手でしっかりと挟む。 白色の地面はもうすぐそこまで迫っていた。 ハルカ「やばいやばいやばい!」 すぐさま急ブレーキ。が、ウィッチは急に止まれない。 白い地面がぐんぐんと迫る。 下に向けたユニットから生まれる風が雪をケチらしていき、その吹き飛ばされる雪がどんどん多くなる。 ハルカは思わず目をつぶった。 ハルカ「止まってえええ!」 ユニットの先端が雪に届き――そこでベクトルの向きが変わった。 ぐんぐんと上昇するハルカ。 ハルカ「はぁ~‥‥」 今まで肺に止めていた息を全部吐き出す。全身の力を抜き、ただただユニットに身をまかせる。 と、肩を叩かれた。 振り返ると満面の笑みを浮かべた少女の顔があった。 キャサリン「ハルカの負けね!」 740 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 06 57 18.76 ID izl/qcEN0 ……… …… … エルマ「なんとか捕まえられましたー‥‥」 他の組から遅れること数分。エルマもウルスラの背中を触ることができたらしく、 俺たちが集まっている地点まで来た。 キャサリン「おそかったねー」 エルマ「ウルスラさん意外とすばしっこくて‥‥」 俺「へぇ、やるもんだな」 ウルスラは少しだけ口をすぼめ、俺から視線をそらす。 ‥‥もしかして照れているのだろうか。 エルマ「あれ? 智子中尉とビューリング少尉は?」 ハルカ「あっちです」 ハルカの指差す先には、ドラム缶を持ったビューリングを智子が追い回す画があった。 俺「智子に火がついちゃってさ」 俺は呆れたように肩をすくめ、お得意のため息を吐いた。 741 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 01 50.92 ID izl/qcEN0 エルマ「智子中尉も結構熱くなりやすいタイプですよね」 俺「この隊で一番なんじゃないか?」 キャサリン「ウルスラも負けてないねー!」 ウルスラの方を見る。 ウルスラ「かもしれない」 彼女にしては珍しいセリフが聞けた。 確かに何度失敗しても、爆発しても、 諦めずに兵器開発する姿勢は、熱くなりやすいからこそ、なのかもしれない。 ハルカ「たしかに熱くなりやすいですよねー‥‥」 その顔は赤く、半目でどこか遠くを見つめている。 一瞬なんのことかと思ったが、俺の脳内でもすぐになんのことか分かった。 俺「ああ、たしかにそうだな‥‥」 あの夜のことを思い出して不覚にも赤面する。 キャサリン「毎晩お盛んねー」 これにはキャサリンも苦笑い。 742 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 05 37.62 ID izl/qcEN0 エルマ「それに比べてビューリングさんはクールですよね」 ハルカ「そうですねー」 クールというか無口というか。ビューリングはこれでも交流するようになったほうらしい。 今以上って‥‥それこそウルスラレベルなんじゃ。 いや、ウルスラは自分からしゃべらないだけで、誰かと一緒にいることは多い。 ビューリングはそれこそ猫のように気まぐれに一人でどこかへ行ってしまう。 それが今以上‥‥それで部隊として成り立っていたのか甚だ疑問である。 キャサリン「最近はよくリュウセイと一緒にいることが多いねー」 ハルカ「だめですよリュウセイさん」 急に俺の顔を見て頬を膨らませるハルカ。 俺「は? なにが?」 ハルカ「二股ですよ二股」 今日はやけにため息を吐く機会が多い。 エルマ「わ、わたしはそんなんじゃないですよ!」 エルマもエルマで赤面し動揺している。そんなんじゃ否定に見えないんだよエルマ。そんな態度だと、悪魔が目をさますぞ? キャサリン「またまたー」 ほらな。 743 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 10 32.94 ID izl/qcEN0 キャサリン「で、ビューリングとはどんな関係ね」 俺「どうって‥‥火付け役だよ。そのまんまの意味のな」 そのまんまタバコに火をつける役。そのためだけに俺はビューリングと一緒にいる。 ハルカ「わたしはてっきり‥‥」 ――はずだったのだが‥‥最近は一緒にいないと寂しいと思ってしまう節もある。 どうなんだ? 俺はアイツが‥‥あんなへんちくりんなやつが‥‥ 俺「ないない」 頭を振りながら自分に言い聞かせるようにつぶやいた。 智子「何がないのよ」 いつの間にか決着がついたらしい二人が戻ってきていた。 俺「なんでもねーよ。さ、帰ろうぜ。もう俺の魔法力も持たない」 実際かなり消費しており、もし午後からネウロイの来襲があるんだとしたらそれなりにまずい。 キャサリン「じゃあさっさとかえってご飯でも食べるねー」 智子「一勝一敗ね」 ビューリング「そうだな」 銀髪の彼女は興味なさそうに答え、基地へと向かった。 745 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 15 14.89 ID izl/qcEN0 ……… …… … 着陸後のメンテがない俺はさっさと食堂に来ていた。 魔法力は一気にぶっぱなすよりも常に使い続けている方が辛い事を改めて実感する。 すっかり馴染んだいつもの席に腰掛け、腕を伸ばしテーブルへと倒れこむ。 俺「やっぱり魔法力鍛えないとだめだなー」 鍛えると言って、そう簡単に上がらないのも魔法力ではあるのだが。 ストライカーという補助装置が全くない俺は、他のウィッチよりも消費する魔法力が激しい。 これでも小さい頃から欠かさず訓練はしているので、多少は自信があるのだが‥‥ ため息をひとつ吐くと俺はいつの間にかまぶたを閉じていた。 746 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 20 10.64 ID izl/qcEN0 ―――――――― ――――― ――― 薄暗い。 ビューリング「やめろ‥‥やめてくれ‥‥」 俺は空を飛んでいた。目の前にはビューリングがいる。 その表情はいままでに見たことのない恐怖の表情だった。 彼女の手にはいつも常備しているナイフがある。 見ると、俺の右手にもナイフがあった。 ビューリング「来るな! く、来るなぁ!」 俺は無意識のうちに前進しているようだった。 彼女の目の前まで来る。 すると、彼女は持っていたナイフを捨て、両手で耳を抑え丸くなってしまった。 ビューリング「許してくれ‥‥赦し――」 俺はナイフを持つ右手を高く掲げる。 そしてそのまま彼女の後頭部へ―― 747 名前:流星[sage] 投稿日:2010/11/27(土) 07 25 07.42 ID izl/qcEN0 ガタンッ! という音と共に体を跳ねさせていた。 キャサリン「あっはっは! あるある!」 俺「‥‥」 どうやら眠ってしまっていたようだ。 見ると皆戻ってきている。 右手にも感触はない。 ハルカ「あーありますよねー、わたしも授業で居眠りしたときはよくなってましたよ」 エルマ「どうしてああなるんでしょうね」 ウルスラ「浅い眠りから深い眠りに移行するときの筋肉の緩み」 智子「へぇ、詳しいのね」 ウルスラ「勘」 智子「あ、そうなの‥‥」 俺はビューリングの顔を見る。 なんてことはない、いつもの凛々しく美しい顔がそこにはあった。 ビューリング「ん?どうした」 俺「あ、いや、なんでもないんだ」 ‥‥人を殺すなんて、夢だけであってほしいね。少なくとも、俺はそう思った。 749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/27(土) 07 27 37.34 ID tiRq01rm0 乙 例のごとくクヲリティ高ぇわ投下早いわ恐れ入る 流星Ⅱ 2へ続く
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新しく501に来たウィッチは男な上に目が見えない!? そんなおはなし ちなみにペリーヌルートだよ!! 第一話:杖つきウィッチ 第二話:俯瞰視(バーズアイビュー) 第三話:タカの目(ホークアイ) 第四話:夜鷹(ナイトジャー) ※オールスターに関して 使う機会がありましたらお好きなようにご利用下さい。 キャラは作者本人もイマイチ掴みかねてるのであまり気にせずどうぞ。 誤字質問などありましたらどうぞ 感想などありましたら泣いて喜びます どうも、[格闘のウィッチ]を書いています作者です。毎日楽しく読んでいます。 -- 格闘のウィッチの者 (2010-12-20 19 39 15) コンセプトも文章も好きです 応援してます -- 読者A (2010-12-25 01 13 44) 早くも続きが気になる -- 名無しさん (2011-01-17 05 35 42) 早く続きを… -- 名無しさん (2011-08-05 22 02 03) そろそろ続きが来ると信じてるよ -- 名無しさん (2012-02-14 06 16 40) 名前 コメント
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夢の中で、俺は魔力を持たない人たちをシールドで守っていた。 これは、扶桑海事変の頃の夢だろう。 扶桑海事変、それは俺が初めてストライカーを履いた原因だ。 別に好きこのんで履いた訳じゃない、俺の村がネウロイに襲われ。 その村で、魔力を持っていたのは俺一人。 そして俺以外のウィッチなどいないのに、村の自警団が犯罪者威圧のために購入していた 旧式の九五式戦闘脚。 そのストライカーを履いて、村の人たちを守った。 でも、それ以降村の人たちとは妙に距離が広がってしまった。 当たり前なのかもしれない。 12歳なんて、周りの大人達から見れば子供も良いところだ。 しかし、その力は大人など寄せ付けないものだ。 魔力さえなければ、そんな言葉を大人達からはよく言っていた。 俺がその言葉を聞いているとも知らず。 彼らは好き放題言っている、ウィッチなんて気持ち悪いだとか、もしかしたら ネウロイなんじゃないかとか、今なら一笑して終わりだが、このころはかなり堪えた。 しばらくして、夢の場面が変わる。 まるで逃げるように両親と共に別のところへ移り住んだときだろう。 そして初めて、ヒガシと会ったときの頃か。 だが、なんだか違和感がある。 いや、違和感だらけだ。 まずヒガシが出てくるべき所に出てこない、フジもいない。 そして代わりにいるのは俺にとってウィッチを嫌う大人達の代表者、 つまり故郷で俺に好き勝手を言っていた奴ら。 なんて悪夢、第一あそこでヒガシ達に会っていなかったら、今の俺はいない。 まあいい、悪夢だと分かった以上、この夢に居続ける意味はない。 なら……強制的に終わらせてしまえ。 高台へと移動する、ずっと階段を上っているのに息が切れない。 現実でもこうならないだろうか? 屋上に着いた、そしてフェンスを乗り越え飛び降りる。 飛び降りの感覚は、戦闘脚の速度を稼ぐ急降下、ダイブに似ている。 地面が近づく、近づく、近づく。 もう目の前だ。 そのまま夢の中の俺は、たたきつけられ破裂した。 目を覚ます。 最低な夢だ、あのときヒガシに会えなかったらなんて考えたくもない。 もし会えていなければ、戦えない人たちの代わりに闘うなんてこと、やろうとは思わない。 それよりも…………ここはどこだろう? 記憶はフランチェスカ・ルッキーニが大和を沈めたところでとぎれている。 この鼻につく独特の臭いは、消毒液の臭いだ。 と言うことは、どこかの医務室か。 まったく揺れがないところを察するにどうやら艦船ではないようだ。 であれば、アドリアから一番近い基地は………ストライクウィッチーズの基地だな。 おそらくはそこだろう。 時刻は午前7時頃、既に夜は明けている。 しばらくすれば医務官も来ることだろう。 出歩けるほど体力は回復していない、と言うより体を起こせない。 つまりここで待っているほか無いと言うことだ。 しかし、朝とはいえ患者が居るのに医務官が居ないとは、 アフリカでは考えられないことだ。 「アフリカ………か」 アフリカに行って俺がやったことは口喧嘩だけ。 しかも決着はついていないときたもんだ。 もっとも、決着などついたところでなんだというのか。 まあ、スエズ解放作戦は成功し終えていたんだ。 あとはあそこを維持するだけ、と言うか。 むしろ任務が占領維持だからこそ、リハビリ代わりにあそこに飛ばされたのだろう。 いや、リハビリすら望まれていないのかもしれない。 なぜなら、俺はあそこにウィッチとして派遣されたわけではなく、 ヒガシを補佐する、飛ぶことを許されない副官として派遣されただけだった。 納得できるわけがなかった。 俺はウィッチなのだから。 一ヶ月前、アフリカ ストームウィッチーズの戦闘飛行隊長、加東圭子は己の目を疑った。 扶桑本国から、私の副官が送られてくると言う話は聞いていた。 しかし、副官の名前は聞いていなかった。 本人から聞くのが礼儀であると思っていたからだ。 だが、それが間違いであることに気付いたのは、 二式大艇から降り立った副官本人の顔を見たときだった。 「なんで………」 なんの意味も持たない、まさしく無為な言葉が唇からこぼれる。 しかし、彼はその言葉に反応した。 「それはこちらが聞きたいものだ、ヒガシ」 心底、不機嫌そうに、 そしてウィッチではなく、ただの士官として派遣されたことが理解出来ないと 言わんばかりの顔で。 圭子はまだ固まったままだ、言葉を紡ぐことが出来ない。 その様を見て、彼はため息をついた。 「ヒガシ、着任の挨拶はしないのか?」 この言葉で我に返ったのか、それとも口を突いて言葉が出ただけか、加東はようやく 口を開いた。 「仮にも着任の挨拶をするのに上官をあだ名で呼ぶなんてしないように」 「了解だ加東少尉」 「今は少佐」 「ヒガシが佐官とは世も末だな」 「それどういう意味?」 なぜだろう、特におかしいわけでもないのに耐えきれない、既にお互い笑いを堪えている。 二人は同時に吹き出し、笑顔のまま言葉を交わしていく。 「久しぶりだな、ヒガシ」 「ええ本当に、何年ぶり?」 「そうだなあ、結局海事変以降一度も顔は合わせてないからな、8年ぶりじゃないか?」 「やっぱりそうなるのかな、……それにしても」 圭子が彼の全身をまじまじと見つめ、頷いた。 「なんだよ、なんかついてるか?」 「ああ、そうじゃないよ、大きくなったなぁって思って」 「8年も会ってなきゃ身長だって伸びるさ、成長期に入る前だったし」 「私と変わらなかったのになー」 「むしろ俺のほうが小さかったはずだ」 「顔と生意気な態度は変わってないのに」 「顔はちょっと男前になったろ、そしてヒガシの俺に対する評価はよく分かった」 「評価すべきところは評価してるんだから良いじゃない」 そういうと、圭子は俺の頭に手を伸ばそうとした。 海事変の時、俺の頭を圭子は何度か撫でている。 たいてい、無事に帰還したときのことだ。 だが、時間とは残酷である。 180を優に超える身長になった俺の頭まで圭子の手は届かない、 それを見て俺は圭子の手が届く所まで頭を下げたのだが。 「ちょっと待ちなさい」 なぜか圭子は怒っていた。 「なんだよ、何を怒ってるんだ?」 その返答が、なおさら圭子を怒らせる。 「怒ってないわよ」 どう見ても怒っている。 だが、それを言えば更に怒らせるだけだ。 まあいい気が済むまでやりなさい、と、どこか父親のような目線になりつつ、 仕方なく直立し、圭子が頭を撫でるのを待つ。 だが、ここで少々誤算があった。 俺の頭を撫でようと、圭子はつま先立ちになりながら俺の肩に手をかけ 半ば寄りかかるようになっている。 他人から見れば、そう、圭子が俺にキスをねだっているようにしか見えない。 そして、折悪くそこに友人をからかうのが大好きな女性が通りかかった。 「白昼堂々恋人にキスをおねだりだなんて、ケイもやるねぇ」 「………」 そんなこと思いもよらなかったのか、 圭子は自分達が他人にどう見られているか正確に把握すると、 「~~~~~!!!」 言葉にならない悲鳴を上げ、真っ赤になりながら俺を突き飛ばした。 あれからヒガシに基地の案内をしてもらっているのだが、 こちらはさっきのことが納得できない。 相手の意見を優先した結果、突き飛ばされました。 そんなの冗談じゃない、こちらにも言いたいことがある。 「ヒガシ、さっきのあれはちょっと酷いんじゃないか?」 「……………」 しかし俺を突き飛ばして以降、ヒガシはこちらを睨むだけで 俺の言葉に聞く耳を持とうとしない。 さっきの事件に関しては、二人の不注意が原因であって、 俺一人のせいではないと思うんだが。 いや、そんなことは関係ないのか、問題は誰に見られたのか、ということなのだろう。 俺が、自身の中で答えを探している間、圭子はある人物にずっと口止めをしていた。 「ハンナ、絶対にみんなには言わないでよね」 「こんな面白いことを黙っていられるかどうか……ああ不安だ♪」 女性らしい見事なプロポーション、近くにいるだけでおぼれそうになるほどの圧倒的な風格。 通りかかった女性の正体、それは別名アフリカの星とも呼ばれる天才ウィッチ、 ハンナ・ユスティーナ・ヴァーリア・ロザリンド・ジークリンデ・マルセイユだった。 言うまでもないだろうがさっきからずっと人の悪い笑みを浮かべている。 そして圭子の言うみんなとは一体誰のことかは分からないが、 確実にその全員に言いふらすだろうことの断言は出来よう。 阻止するにはどうすればいいのか、待てよ……何もやましいことをしていたわけではない、 ならば本当のことを言っても問題はないのでは? 俺はその間違った答えをそのまま口に出す。 「いや特に面白いことでもない、ヒガシが俺の頭を撫でようとしていただけだ」 圭子は頭を抱えた。 もしや今のはフォローのつもりか? あり得ない、逆効果以外のなんだというのか。 25歳の女が20歳の男の頭を撫でるなんて、仲むつまじいとしか言えないではないか。 今のでなおさら興味を持ったのだろう、マルセイユが圭子に耳打ちした。 「ケイ、なんだかとっても面白そうだから洗いざらいしゃべってもらおう、 そうだな彼の案内が終わったら宮殿に来ることOK?」 マルセイユが耳打ちするをするというのは珍しいことなのだが、 どこかの阿呆が言ったことをいかにしてごまかそうか、頭をフル回転させている圭子が それに気付くだけの余裕はなかった。 宮殿、この基地ではその二文字を言うだけで誰のテントのことか伝わるという。 あながち間違いでないのが怖いところだ。 そして、その宮殿では、私つまり、加東圭子が何人ものウィッチに問いつめられていた。 聞かれる内容はほとんど同じ内容だ。 「あの男との関係は?」 「どこまで進んでるの?」 「もしかして……」 これら全ての質問が何度繰り返されたことか……、そしてその全てに私は『否』 と答えているのだが、こちらの言うことに耳を傾けようとするものは誰一人いない。 なんだろうこれ、私ってこの戦闘飛行隊の隊長じゃなかったっけ? その私の言うことに誰一人耳を傾けないってどういうことなの………。 怒っているような、それでいて、半ば泣きそうな顔をしている圭子をマルセイユは にやつきながら見ている。 「(覚えてなさいよハンナ)」 恨めしげに圭子はマルセイユを見るが、いっこうに堪えた様子はない それどころか、問題の中心に居座るもう一人に声をかけている。 「ほっといていいのか色男?」 「何がだ?」 「そりゃ、恋人を助けなくて良いのかってことさ」 恋人、それは一体誰と誰のことを指しているのか? 俺とヒガシが恋人だという事なら見当違いも良いところだ。 第一、あちらはこちらのことを弟のようにかわいがっているだけで、 恋愛対象としては見ていないのだ。 だからこそ断言できる。 「恋人じゃないよ、戦友……いやたったの一ヶ月しか一緒に飛べなかったから、 それすら怪しいもんだ」 「一ヶ月だって?扶桑海事変の期間はもっと長かっただろう」 その通りだ、でもこちらにだって言えない事情がある。 「いろいろとあったのさ、……そういえばまだ名乗っていなかったか、扶桑陸軍所属の 俺中尉だ、明日から書類を押しつける事の可能な相手が増えるぞ、よろしくアフリカの星」 「なんだ、私が名乗る意味が無いじゃないか」 「ウィッチであなたのことを知らない奴がいるのか?」 「それもそうか」 ごく自然に答える辺り嫌味がない、これがマルセイユだ。 「ああそうだ」 マルセイユは何かを思い出したのか、いきなりこちらを向いてこう言いはなった。 「悪いがサインはしない主義なんだ」 そういえば聞いたことがある、マルセイユ直筆のサインはとても希少でオークションで 30ポンドはくだらないだろうという話を。 何ともばかばかしい話だ、 「本人が目の前にいるのにサインをほしがる奴なんているのか?」 思ったことをつい言葉に出してしまった。 それを聞いたマルセイユはこちらをじっと見つめ、口角をゆっくりつり上げた。 「もっともな意見だな、私もその考え方は嫌いじゃない」 「それはどうも、しかしそろそろアレは止めた方が良いと思うんだが?」 俺はいい加減ぶち切れそうになっているヒガシを指さしたが、 マルセイユは笑いながら見ているだけのようだ。 まあいいさ、俺はもう知らない。 そう決めた十分後、俺はなぜかヒガシの前で土下座していた。 なんて不幸、踏んだり蹴ったりとはまさしくこのことなのだろう。 そして土下座騒ぎが収まり俺たちが帰ったあと、 天幕には、マルセイユ、ライーサ、圭子の三人が残った。 「それで?」 マルセイユが圭子に向けて一言、それが何を求めているのか圭子には分かっている。 ウィッチというものは魔力のある人間を見抜くものだ。 であれば、先ほど『書類を押しつける事の可能な相手が増える』 と、あいつが言ったのは失言以外のなにものでもない。 魔力があれば、他にやることなどアフリカではいくらでもあるのだから。 ああなんて割に合わない。 それこそ洗いざらいしゃべるしかないのだろうか。 圭子は短くため息をつくと、決意したようにマルセイユを見つめた。 「分かったわよ、今から、私が知る限りの俺の経歴を話す ……でもこれは絶対に他言無用よ?」 二人は静かに頷いた。 海事変の俺1
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魔人と呼ばれる俺 第二話「軍を率いる男」 [[俺「ス、ストライクウィッチーズだってー!?」 http //dat.vip2ch.com/read.php?dat=02319] 332-348,914-944 [[俺「ストライクウィッチーズでしたか」 http //dat.vip2ch.com/read.php?dat=02321] 358-376 ―――――――― 昼…医務室 俺「ん・・?ここは医務室か・・」 光が眩しい…待て、今はあれから何日目だ? 俺「リーゼ、ロッテ・・今はあれから何日目だ?」 (3日目です) (本当に死にかけてたんですからね…) 3日目か…生きてて良かった 救護班長「あ、起きましたか特務大佐!」ゴンッ 俺「いきなり医学書で殴らないで欲しいんだが・・地味に痛い」 救護班長「地味に痛いで済むんですか・・ あのですね・・そこの二人は特務大佐の後で治療しても大差なかったんですよ? 重傷な貴方が後回しって・・死にたかったんですか?」 よく見たら隣のベッドに二人で寝ている…迷惑掛けてしまったんだろうな… 俺「怪我したまま気が付いたら苦しいだろ? 無意識に俺の命より二人の方が大事だって判断したんだろ」 救護班長「この部隊ってそんな人ばかりで嫌になるわ・・ あまり無理しないでくださいよ?」 ((そうですよ!)) 俺「前向きに善処する ところで杖を貸してくれないか? ストライカーの故障具合だけ見に行きたいんだ」 救護班長「・・・はぁ すぐに戻ってきてくださいよ?」 俺「寛大な気遣い感謝する」テケテケ ―――――――― 昼…格納庫 俺「あー・・配線がショートしてるな・・しかも冷却装置も壊れてる・・ すぐに休暇をなんとか貰って買いに行かないと」 整備員「何が必要なんだ? あんま触っちゃいけねーと思って整備出来無くてな」 俺「あ、はい一応機密扱いでして・・このメモに書いたのが必要なんだ」 整備員「全部は無いな・・すまない」 俺「いやいや、無いものは仕方ないだろ? 手間取らせてすまんな・・感謝してる」 整備員「はは!俺は何もしてないぜ? ・・何か手伝えることがあったら呼んでくれ!」バッ 俺「?何を急いでるんだ?」ダンッ! 俺「?麻酔・・弾?」バタン ―――――――― 少し戻って医務室 宮藤「エイラさん、サーニャちゃん、御飯が出来ましたよ あれ?俺さんがいない・・」 救護班長「彼ならストライカーの故障具合を見に行きましたよ?」 宮藤「・・リーネちゃん、狙撃訓練しようか?麻酔弾で」ビキビキ リーネ「芳佳ちゃん・・そこまでしなくても普通に言えば戻るんじゃ・・」 宮藤「・・怪我人は寝てないと駄目だと思わない?」 リーネ「思うけど・・」 宮藤「そうだよね!じゃ、行こ?」 ―――――――― 時間を進めて…食堂 エイラ「それで大尉が医務室に連れて帰ってきたって事ダナ?」ビキビキ サーニャ「どうしようエイラ・・私非力だから坂本少佐から木刀借りた方が良いかな?」 ゲルト「宮藤の頼みだからな!何かあったら言うんだぞ?宮藤!」 ペリーヌ「どうしてもとおっしゃるならトネールを使って差し上げますことよ?」 ミーナ「あの・・みなさん?気持ちはわかるけど落ち着いて? 特にサーニャさんとエイラさん・・」 もっさん「そうだな・・俺も入り難そうにしてるしな お、逃げた」アイツマスイダンキカナイノカ? 宮藤「バルクホルンさん、連れて来て下さい!」 ゲルト「任せろ宮藤!」 俺「これは殺される・・リーゼ?ロッテ?引っ張るなら前ダロ?」 ((私達的に前に引っ張ってますが?)) 俺「・・救護班長助けて貰えないか?」 救護班長「女性の怒りを体験してみた方が良いんじゃない? タメになるわよ?特務大佐」スタスタ 逃げる術を失った俺はバルクホルンに襟首掴まれて連行されて行った どうなるんだよ…俺…傷口トネールとか死ぬぞ? ―――――――― 昼…食堂 エイラ「俺・・言うことがあるヨナ?」 俺「護れなくてスマン」 サーニャ「そんな答えは聞いてませんよ? 他には?」 エイラもだが義妹よ…怖いぞ…木刀は捨ててきてくれ 俺「指示ミスった・・先に二人を逃がしながら応援を呼んでもらうべきだった」 友「そんな答えは求められてないぞ?ボス、いや俺」 俺「なんでお前がここにいるんだ!? ・・帰って部隊の指揮をとれよ!」 友「お前のせいだろ・・記憶違いかぁ? 色ボケしてんじゃねぇぞゴラ! 気持ちはわかるがな・・死んだら終わりだぞ!」 俺「色ボケしてねぇよ! いつも単騎だからミスっただけだ! 心配掛けた・・スマン」 友「初めからそれをみんなに言えよ・・ 確かに今回はお前のミスもあるがな、責任を全部一人で背負うな つか早く全員に謝れ・・ここのウィッチはネウロイより怖い・・」 俺「俺の悪い癖だな・・ そうだな、このままだと良くて半殺しにされる」 友「俺は部隊に戻る・・ 土産を格納庫に置いて行くから完治したら見ろ」スッ 全員「・・消えた!?」 何故坂本まで驚く 扶桑の技の一つだぞ? 俺「いや・・それはおいといて・・・ みんな、迷惑掛けてすまなかった」 エイラ「おい、違うダロ」 俺「・・心配してくれたのか?」 全員「・・・はぁ」ゴハンタベヨ エイラ「私とサーニャが起きたら服はお前の血で染まってるし! タンカに運ばれたお前の様子を見に行ったら面会謝絶だったシナ!」ビキビキ サーニャ「面会謝絶中無理言って寝泊まりしてたんですからね!」 エイラ「しかも事の顛末を聞いたゾ・・先に自分の治療シロヨ!」 エイラーニャ「「自分の身体はちゃんと気遣って下さい!」エ!」ドンッ ミーナ「あの・・二人とも? 傷口にパンチは・・・」 俺「・・・」ビクビク 再び強制医務室送りに逢う俺だった… 幸なのか不幸なのか…わからん ―――――――― 夜…医務室 俺「・・腹減ったな」 エイラ「我慢シロ」 サーニャ「我慢してください」 俺「もう良いから部屋戻れよ・・ もしかしたら罪悪感とかあるのかもしれんが休めるときに休むのも仕事だぞ?」 エイラ「・・サーニャは今寝てるから大丈夫ダ」 俺「寝るのはやいな・・今起きてただろ」 俺はベッドから起き上がりサーニャを自分のいたベッドに寝かせる エイラ「隣のベッドに寝かせれば良いダロ・・俺はどうするんダヨ?」 俺「隣のベッドまで運ぶのは面倒なんだよ・・ 俺が隣のベッドに行けば良い お前も寝ろ・・時間を言えば起こしてやるから」 エイラ「大丈夫ダ、帰ってから寝るしナ それよりなんか俺の話聞かせろヨ」 俺「別に話すことなんて無い・・だいたいは噂通りな奴だ」 お湯を沸かしインスタントコーヒーを作る 液体でもなんでも腹にいれとかないと薬が飲めん エイラ「少し接してみて初めて仲間想いな奴だと知ったがナー」 俺「俺は護ろうと思うものしか護らんよ 誰だってそうなんだから仲間想いもなにもない」 エイラ「だからって命は粗末にするナヨ 私も・・サーニャも誰も喜ばないゾ?」 俺「・・それでも命を賭けて大切な人達を平和な世界に送りたいのさ 憎まれても怨まれても信念は貫く 何かあったらお前が支えてやれ」ナデナデ エイラ「あ、頭を撫でるナ! オマエが無茶な事しようとしたらサーニャにばらすからナ!」 俺「・・エイラ、俺はな・・ オラーシャのウラル山脈の西一帯を護れなかったわけじゃなく護ら無かったんだ あの頃の俺は今より薄情でひと暴れしたら次の戦場に行く事しか考えてなかったからな・・ ・・もう俺の話は良いだろサーニャの寝顔でも見ながら時間潰してろ」 エイラ「なっ!馬鹿!何言ってんダヨ! ・・何してんダヨ?俺?」 俺「そんな顔赤くさせて動揺することか? なに、ねずみを捕まえるだけ・・さ!」 ドアに忍び寄り一気に開く …思ったより居たな…つか全員じゃねぇか 俺「・・そんな事してる暇あるならさっさと治療しろ宮藤 お前等も後で覚えとけ・・」 もっさん「まあ待て俺、なにも盗み聞きの為だけに全員で来たわけではない また質問会だ 宮藤に治療させてる間に色々聞きたい」 盗み聞きしていたのは否定しないんだな… まあ聞く機会を度々逃してんもんな… 俺「答えられる範囲でなら」 もっさん「お前の友人から少し情報を貰って調べたんだが・・・ お前はここに配属される前に戦死ということになっていた 軍も配属させた覚えはないと言っている お前は誰なんだ?」 俺「あいつ・・余計なことを・・・ 俺が誰かは答えられんが別に俺が偽物というわけじゃない そして覚えはないと言われても俺は行けと確実に言われているし書類もある」 もっさん「・・お前の目的はなんなんだ」 俺「・・大切な人達を護るために戦う・・それだけだ ついでに特務としてウィッチの護衛を任されてるだけだ」 もっさん「ふむ・・まあ危害を加えないうちは良いだろう だが何かあった場合真っ先にお前を疑うことになるだろう事は忘れるな そしてお前は仲間に頼るということを覚えておけ 私達は護衛対象でも仲間だ」 俺「・・考えとこう」 宮藤「治療終わりました!」 もっさん「うむ、ご苦労宮藤 私からは以上だ後はこいつらの雑談にでも付き合ってやれ」 俺「・・ここ医務室だよな? 五月蝿くしても良いのかよ・・」 シャーリー「細かいこと気にすんなよ俺!」バンバン 俺「いてぇ!叩くなよ!」 …それから少しだけみんなと話しをしていた しかし後ろの二人の視線が痛いのはなんでだ? つかサーニャ起きたのかよ エイラ「・・そろそろ夜間哨戒の時間ダナ」 サーニャ「・・そうね、エイラ・・行こっか」 俺「もうそんな時間か二人とも気をつけて行けよ? え?なんで引っ張んだよ?お前もナイトウィッチダロって? いや、俺のストライカー壊れてるぞ!?」 エーリカ「・・いやー俺もここに馴染んだようで良かったねー 流石“黒百合の騎士”様!」 ゲルト「それは褒めているのか?ハルトマン」 ―――――――― 夜~深夜…格納庫 俺「・・友の野郎・・よりによってこのストライカーを置いて行くか」 友が土産として置いて行ったものは新しいストライカーと一つの武器だった 俺「てっきりこの武器だけだと思っていたぞ・・」 エイラ「大きい銃ダナ・・」 サーニャ「俺さんの武器って大きいのばかりですね・・・」 俺「対人戦なら普通の武器を使うって・・・ こいつは“フェンリル”といって2年程かけて作った魔銃なんだ 自動追尾、複数弾、単発弾とまあ自由な戦い方の出来るスグレモノだ」 俺はストライカーの方へと向き直る あいつの事だ…改良して壊れた前のストライカーより性能は高いだろう 俺「久しぶりだな・・“ゲイル”・・先の大戦以来か」 宮藤博士の残した設計書を参考に彼の助手だった俺の友が独自に開発したストライカーだ 今となっては原型すらも留めていない…もはや別物の漆黒のストライカーと言っても過言ではないだろう 改めて名付ければ“ブラックゲイル”だろうな サーニャ「この機体・・前のと違ってパーソナルマークが入っています」 エイラ「ほんとダナ・・交差させた剣の下の杯の中にロシアンブルーのいる絵ダナ・・・」 俺「そうだな しかし幾らストライカーがあっても試運転させないと駄目だ・・ 夜間哨戒は無理だぞ」 エイラ「そんなに頻繁にネウロイがでるわけじゃないダロ? 別に良いじゃなイカ」 俺「距離600に小型ネウロイ少数3時間後にロマーニャに到着予定 といった感じだ 後は半球に反応が無いから倒したらもう戻って来い」 エイラ「・・でも前のは探知出来なかったじゃなイカ 大丈夫なのカ?」 俺「確かにそればっかりは俺も探知出来ないしな・・ よし、これを二人に渡す、危なくなったら使え」 サーニャ「これは・・拳銃ですか?」 エイラ「これが何の役に立つんダヨ」 俺「これは特殊な信号弾だ 詳しく説明している暇は無いが撃てば俺に居場所が知らせるものだ 信号を確認したら他のウィッチに出撃させる ・・はやいに越したことはない、ネウロイを叩き潰して来い」 どこか不満そうな二人を見送り格納庫から外に出て手持ちの機械に目をやる 信号弾による位置の伝達に使うものだ 細かく伝わるわけじゃ無いが大体の場所は把握できる 無いよりはマシなものだ 俺「リーゼ、ロッテさっきから静かだがどうした?」 (空気を読んでました…わけではなくて) (少しでもマスターが力の制御が上手くいくように奮闘中です 予定通りに行けばこんなの無駄な事ですけどね) 俺「そうか、ありがとう でも無駄な事じゃないぞ? その時が来る迄は出来るだけ制御出来た方が楽だからな ・・しかし軍は俺を死亡扱いにしてたか・・・想定内だというのがなんか悲しいねぇ まあいいか、元々これが終わったら本来の俺の戸籍に戻す予定だったし」 (…少しの間作業に集中します 信号弾による警報または通信が入り次第起こすのでマスターは少し休んでください そのほうが作業しやすいです) 俺「・・わかったちゃんと起こせよ? 後、二人が帰ってきても起こせ」 (はい、良き眠りをマスター) 格納庫へと戻り部屋に入るそこには見慣れない本が置いてあった 俺「これも友の置いていったものか?」 何気なく本を開く…しかし中は白紙だった メモ帳か何かだろうと思い直し元の場所に戻し横になった ―――――――― 二人が帰ってきたのは早朝だった… 仕事熱心だな、うん 俺はリーゼに叩き起こされ(腹パン)二人を迎える 俺「お帰り二人とも怪我はなさそうだな 今日の夜は俺が一人で行くから二人は休んどけ」 エイラ「アア、ただいマ ・・一人で行くのは危険ダゾ?」 俺「サーニャが一人で飛ぶときだってあるんだろ? なら大丈夫だろ ほら、サーニャを部屋に連れて帰れ・・完全に寝てるけどな」 エイラ「ムリダナ、わたしじゃ運べナイ・・」 俺「俺はお前達の部屋まで行きたくない だから俺の部屋に一旦起きるまで寝かせとくが良いか?」 エイラ「サーニャに変なことするナヨ!」 俺「じゃあお前もサーニャと一緒に寝てろよ・・面倒臭い 俺は自主訓練に行くから」 二人の首根っこを掴み階段を昇り部屋に入ってベッドの上に置く エイラがなんか言ってるがどうでも良い事だったので聞き流した 俺は重りの入ったバッグを背負い基地の周りを走り出した ―――――――― 2時間後…格納庫前 俺「ふぅ・・朝の訓練終了っと 次は…ストライカーの試運転だな 朝食がてら少し休んでから行うとしよう」 シャーリー「よー俺ー!朝から訓練かー!」 俺「おはようシャーリー、いま朝の訓練が終わったところだ これから軽く朝食を取ってストライカーの試運転の予定だ」 シャーリー「ああ、新しいストライカーが来たんだって聞いたよ なあ、壊れたやつわたしにくれよー」 俺「あれはテスト機だから無理だしもう友が持って帰ったよ」 シャーリー「そうかー・・残念だ ところでいつも食堂に来ないけど何食べてたりするのさ?」 俺「何食べてるかって? 携帯食料とドライフルーツを少々」 シャーリー「ドライフルーツはともかくあんなマズイ携帯食料をよく毎日食べてられるな・・ 遠征とかじゃないんだから食堂でご飯食べないか?」 俺「俺は味覚が無いから手早くて済む携帯食料とかで充分なんだよ なんだその顔は?」 シャーリー「いや・・味覚が無いのは辛いだろーなと思っただけさ」 俺「別に・・味覚が無いのは自業自得だから仕方ないさ」 シャーリー「何があったかは知らないけどさ 仕方ない事は無いだろ? おっと・・少し話し込んじゃったな、わたしも朝食取りに行くんだった たまには来いよー!」 そう言ってシャーリーは木の上で寝ていたルッキーニを呼び起こして二人で食堂へ行ったのだろう そういや携帯食料部屋だったなー… 予定繰り上げでストライカーの試運転を先にするか… ―――――――― 格納庫内発着所 俺「ストライカー各部、異常無し 出力チェック、現状異常無し 現在時刻0830時・・試運転を開始する 先ずは通常巡航モードから」 ストライカーに魔力を送り込み加速し上空へ飛ぶ 初速も加速度も悪く無い 技術飛行も試してから着陸する 俺「次は高速巡航モード 0840時・・開始する」 通常巡航に比べ初速も加速度も高いが技術飛行には向いてない 再度着陸し最後の試運転を開始する 俺「最後に格闘モード 0850時…開始する」 初速も加速度も他二つより低いが小回りが効き高度な技術飛行を他二つに比べ行い易い 着陸しストライカーを脱ぐ 俺「短いが試運転程度だしこれくらいで良いか 長時間運用による障害の有無は実戦で確認かな テストして疲れて飛べないということが万が一にもあっては困るしな」 整備班長「朝から精がでますね特務大佐 吸います?」 そう言って煙草を差し出してくる こいつは…整備班長だったかな 俺「貰っておこうかな安物の煙草の方が俺にはあってる」 整備班長「安物ですいませんね・・」 火を借りて煙草に点火する 俺「気を悪くさせたならすまない 高い煙草なんて椅子に踏ん反り返ってる馬鹿が吸うもんさ」 整備班長「ははっ違いない しかし女性を部屋に連れ込むとは特務大佐も中々」 盛大に噎せた 何時から見てた… 俺「げほっ!げほっ!か、勘違いするなよ!?別にやましい事なんか無いんだからな!?」 整備班長「知ってますよ しかし良いんですか?見られて困るようなものが一つくらい有るのでは?」 俺「その考えは無かった・・部屋に戻らないと」 煙草を灰皿に捨て部屋に走る ―――――――― 格納庫内自室前 俺「正直気付いた時には手遅れとかよくあるよな・・・」 扉を開き中に入るとエイラが本を読んでいた 幸いサーニャは寝ているようだ …ちょっと涎垂れてんぞ義妹よ 俺「人のアルバムを勝手に読むなよエイラ・・・」 義妹の涎をティッシュで拭ってごみ箱に捨てる ベッドに零されると色々困る エイラ「ちょっと魔がさしてナ 小さい頃のサーニャの写真ばかりダナ」 こいつは本当にサーニャが好きだな… 俺「俺の写真は一緒に住んでた頃に一緒に撮ったのが数枚しか無いからな もっとも俺が頼んで家のは捨ててもらったからサーニャは見たこと無いがな いや、元家か」 俺はベッドの上のエイラの横に腰掛ける エイラ「わ、わざわざよ、よ、横に座らなくても良いダロ!」 俺「こら、サーニャが起きちゃうだろ大声出すな どこに座ろうが一緒だろ 大声出さなくて済むここが良いと思っただけだ まあ何故義兄か話してやろうかな」 エイラ「し、仕方ないから聞いてヤル」 俺「・・じゃあ聞いてもらおうかな 俺はサーニャの両親と昔から仲の良かった夫婦の子供だった ある日俺の家族がいる所にネウロイが襲ってきてな 親は死亡、俺は両腕を無くした その時この今は両腕の二人に助けられた その後サーニャの両親が俺を引き取ってくれた それから一年してサーニャが産まれたんだ それから4年間サーニャと過ごしていたんだ・・小さい頃も可愛かった でも幸せな日々なんて続かないもんだ・・ある日俺は軍に連れていかれた でもサーニャの両親は悪くないんだ、軍が無理矢理連れていったからな 軍に行った後、色々実験とかされたわけだ普通の奴なら耐えられないような酷いなやつをな それで・・」 エイラ「もうヤメロ!そんな話聞きたくナイ!」 隣を見ればエイラは泣いていた いや、泣くような話はしてないはずだろ 俺「う・・少し余計な事を話し過ぎたな でも泣くような事は話してないだろ・・・」 エイラの頭を撫でる…今回は怒られなかった 俺「そういえば昔はよく泣いてるサーニャを膝の上に乗せて頭を撫でたもんだ 流石にその歳になると恥ずかしいだろうし乗せたりしないがな」 エイラ「わ、わたしはそんなに子供じゃないダロ・・ デ、デモノセタイナラ…」 俺「すまん、最後の方が聞こえなかった なんだ?」 エイラ「な、なんでもないゾ・・・ そ、それよりもう大丈夫ダカラ・・」 俺「?そうか あまり泣かないでくれよ? 正直泣かれると辛いからな・・」 俺はエイラの頭から手を離す ウウ―――!ウ―ウ―! ミーナ《ネウロイです!探知不可のステルスタイプで目視で確認! ウィッチは全機出撃!その他の人員は避難命令を発令します!》 (マスター、私達にも感知出来ないタイプです) (…一つ思い出したことがあります 846文書による実験を覚えてますか?) 俺「・・そういうことか! あれを成功させやがったのか!?」 インカムを手に取り他のウィッチに呼び掛ける 俺「ストライクウィッチーズ総員に通達!おまえ達は基地に待機! 特務大佐が命じる!総員基地に待機!理由は後で話す!」 ミーナ《・・基地上空に待機でもよろしいかしら?》 俺「希望するやつだけならな! エイラ!お前はここにサーニャと居ろ! 夜間哨戒の後なんだから上空には上がるな!」 走り出そうとするとエイラに抱き着かれた 緊急事態だぞ! エイラ「理由はわからないケド・・無理スンナヨ ちゃんと帰ってコイヨ、絶対ダゾ!」 俺「わかったから離れろ! 必ず帰ってくる!」 悪いと思ったがエイラを引き離し部屋を出てストライカーの所へ急ぐ エイラ「・・ハッ!わたしは一体何をしてるンダ!// 抱き着くトカ何考えてンダヨ!」ドキドキ ―――――――― 格納庫内発着所 俺「“エンゲージ”! ゲイル!高速巡航モードで発進!接敵時に格闘モードに変更!わかったか!」 ―All-right.Boss ―Striker-"Gale"-Ignition 俺「お前の声も久しぶりだな! 行くぞ相棒!」 ストライカーに魔力を送り飛ぶ …でもいくら張り切ってるからっていきなり音速は無いだろ相棒 数分で敵の前に着き無線を切る 友…顔が軽く痛いんだが 俺「こんにちはネウロイ 単刀直入に聞こう、お前は・・改造ネウロイか?」 《そうだ、私の任務はあの基地の破壊…ウィッチの殲滅、そしてお前を殺す事だ》 やっぱり成功させやがったのか!あの馬鹿共! 俺「・・前のもお前の仲間だな 正直死にかけたよ でも今日は生きて帰るって約束したから死ぬわけにはいかんのだよ 俺が魔人と呼ばれる本当の理由、知ってるか?」 《知らん、貴様が交わした約束なんて破らせて貰う…死ね!》 大型ネウロイから小型が大量に湧き出てくる 以前のと似たような奴か 俺「残念だが俺は前より強いぞ? “フェンリル”一発で小型を喰いちぎれ!」 俺は魔導銃のトリガーを引く 銃口から巨大な光が発射され細かく分離し小型のネウロイを次々と消していく しかし大型から次々と出現しきりがない 俺「・・おもしれェ久々に骨のある奴じゃねェかァ! おいリーゼェ!ロッテェ!お前らもそう思うだろォ!」 (マスター、戦闘に集中してください) (あれを使えとは言えませんが今回は基地も近く得策ではあります) 俺「チッ!あれつまんねェんだよォ しかも代償デカイしよォ でもまァ仕方ねえかァ 妹達護りてェんだよなァ・・・」 (マスター…ごめんなさい) (出来ることなら私達も使わせたくは無いです…) 俺「わーかッてるに決まッてんだろォ! 死ぬわけじャねェ!一発魔人の必殺技ぶち込んでやるぞォ!」 正気に戻り“フェンリル”を構え魔力を練り込み最高で最悪な固有魔法の一つを放つ 俺「魔神の拒絶の力をぶち込む!喰らって死んどけ! “リジェクション”!!」 先程とは比べものにならない膨大な光量を真上に撃ち出す 光が流星群のように大量に降り注ぎ全てのネウロイを飲み込み拒絶するように消し去る 戦闘が終わり無線を繋げる 俺「・・状況終了、帰還する」 ―――――――― 昼前…格納庫内 俺はストライカーを脱ぎ点検する 異常無しか流石だな サーニャ「俺さん・・お帰りなさい・・」 俺「ただいま、サーニャ エイラもただいま・・ちゃんと生きて帰ってきたぞ」 エイラ「お、おかえり・・ なんか気恥ずかシイナ・・」 サーニャ「俺さん・・アイスコーヒーです 喉・・渇いてますよね?」 俺「ああ、ありがとう」ゴクゴク あれ…なんか眠くなってきた…そうか…力を使ったからか なんとか力を振り絞り部屋に入りベッドに横になる あ…なんか良い匂い そのまま俺は意識を落とした エイラ「サーニャ・・あのコーヒーなにか入ってたノカ?」 サーニャ「わたしは知らないわエイラ・・疲れが溜まってたんじゃ無いの? わたしはまた寝るけど・・エイラも寝る?」 エイラ「そうダナ・・わたしも寝るゾ」 ―――――――― 夕方…自室 最近二人の様子が変です 何が変ってよく思い出すとほとんど俺の隣にいないか? それでさ、今も物理的に両隣にいるわけだ …身体を動かせない 嫌なわけじゃなくむしろ心地好いのだが俺にそんな幸せがあって良いのか… ちょっ!こら!胸押し付けるな! …たまには良いような気がしてきた 二人の頭を撫でる 幸せそうに寝て… 怒られるのは俺一人で良いか ゆっくり二人から離れ身嗜みを整え部屋を出る 俺「まあ俺の責任なんで二人には何の罪も無いぞ坂本」 もっさん「お前は二人とは仲が良いしな・・今回だけは見逃しといてやる それでだ、先程の戦闘について話してくれるのだな?」 俺「ああ、確証が得られた 二人には後で話すとして他のみんなを集めてくれ」 ―――――――― ブリーフィングルーム 俺「さて、どこから話そうか」 ミーナ「核心からと言いたいけれど先に戦闘中に無線を切った理由から聞いていいかしら?」 俺「聞かれて困ることがあったかもしれないからだ 特に何かあったわけではないがな」 (マスターって息をするように簡単に嘘つきますよね…) (リーゼ…マスターだってつきたくは無いんですよ?) もっさん「それが本当かどうかを問い詰めても仕方ない・・次にいこう あの最後に撃ったのはなんだ? 正直に言うとあれを見た時寒気を感じた」 俺「・・俺の固有魔法の一つとでも思ってくれて良い それがなにであろうと対象を消滅させるものだ」 もっさん「ほう・・しかし反動も大きそうだな どうなんだ?」 俺「・・・気にするな 必要なときしか使わないからな よし、あのネウロイはなんなのか・・核心を話そう」 もっさん「待て、まだ質問には答えてないぞ」 俺「教える気は無い ただ軽々しく使えるほど小さいわけじゃないくらいは言っておこう 話しを戻してあのステルスタイプのネウロイだがな あれは改造ネウロイだ 人工ネウロイとも呼んでいい どこの馬鹿が造ったかもわかってるが教えられない 知ってしまえば人間同士の戦争は免れないかもしれないからだ・・ 納得してくれ・・・」 ミーナ「わかりました・・ 納得は出来ませんが今は話してくれそうに無いですしね」 俺「・・対処法を教える ・全員が出撃しないこと ・知性が人間近く高いので撃破しても気を抜かないこと ・哨戒を増やすこと ・必ず三人以上で対応する事 ・見分ける方法はこの基地に向かって来るかどうかだ 幸い量産できるものではないから遭遇することが多くは無いのが救いだな」 ミーナ「・・勝率はどのくらいかしら?」 俺「色んな組み合わせから平均的に考えて8割だな」 もっさん「それはお前があの固有魔法を使っての勝率か?」 俺「いや、使わないで高く見積もった勝率だ」 後少シデ力モ制御出来ルシナ 俺「多分・・必要な事は話したな 俺は少し出掛ける・・ 最後に・・今日一日はここにいない二人も含めてみんなで楽しんでおけ」 ミーナ「・・貴方は何処に行く気かしら?」 俺「なに、知り合いと舞踏会に行くだけさ・・明後日には帰る」 ルッキーニ「俺・・なんか怖いよ・・・」 子供は察しが良いな…もしかしたらわかりやすいくらいに表情に出てるのかもな… 俺「怖がらせてごめんなルッキーニ・・ これ、前にあげられなかったお菓子だ 部屋にまだあるから欲しかったら取っていけばいい」 チョコを渡し頭を撫でる …色ボケしてるかもしれんな俺… 俺「・・行ってくる」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~ 正直今回は気分的に良い回ではない ―――――――― 夜…???内通信室 俺「友、各部隊長を召集しておいてくれ」 友「りょーかいボス」 友が部屋から出て行く さて、話しを始めるとするか 俺「各国の大総統、夜分遅くに申し訳ない 緊急の案件なんだ これから私のすることには目を錘むっていて欲しいのだよ ・・よろしい、概要を説明しよう オラーシャ軍のある研究所・・そう、俺がいた所だ 謝らないでくれ、貴方に頭を下げられても困るんだ そこで改造ネウロイが極僅かだが造られている 改造ネウロイはご存知かな? そうか、なら簡潔に説明しよう 要は人の手によって改造された人の命令を実行するネウロイだ 理解したか?」 各国大総統が首をうなづける 理解したか 俺「では話しを続けよう それにお偉方も数人関わっていてな 後世の為に間引きしておきたいわけだ 各国に戦争されても困るしな ・・満場一致で見逃して貰えるか・・感謝する 私は貴方達の良きパートナーで在りたい 私達が必要なときは言ってくれ・・可能なら力になる では、またいつか」ブチッ! はぁ…疲れるな 俺は通信室から出て行き会議室へ向かう 友2「・・俺にはお前のように話せないよ 流石だな」 俺「お前だって大して俺と変わらんだろ“時を扱うロマーニャの魔人”よ お前の妹は元気で可愛かったよ」 友2「お前しかそんなの呼ばないって・・・ そうか・・フランカは元気にしてるか 口説くなよ?」 俺「口説かないって・・ 頭は撫でたがな」 友「・・そろそろ始めようぜ?ボス」 俺「友2・・睨むな ・・それでは総会を始める 知っての通りだが先程確約を取り付けた 明朝作戦を開始する 以降、本作戦をOperation-Guillotineと名付ける 質問は? 無いか・・優秀な部下で助かる では0200時迄解散!」 ―――――――― 0130時…??? 空W(ウィッチ)隊長「ボス、コーヒーですわ 今回私達を連れていくのは基地に居る二人の為に必ず成功させたいからですか?」 俺「どこで聞いたそんな話し 当たらずしも遠からずだな あの隊も交流こそ少ないが嫌いじゃ無いんだよ 友2の妹もいるしな」 空W隊長「そういう事にしといてあげますわ」 陸W隊長「今回私の出撃無しかー… リーゼ、ロッテ、元気ー?」 (元気ですよ、妹隊長さん) (マスターの支援は大変ですけどねー) 陸W隊長「リーゼもロッテも大変そうだねー」 俺「いまでも姉妹揃って見送るのは続いてるわけか 仲良き事は良いことだ」 少し時間もあるし二人と話した なんでもドルジとかいう巨大な猫を拾って部隊みんなで可愛がってるらしい 写真を見たが本当に猫なのか? 友「ボス!空W隊長!そろそろ行くぞ!」 時間だ・・血の舞踏会の始まりだな ―――――――― 早朝未明…オラーシャ 俺「諸君、私達は間違ったことはしないが正しい事をしているわけでもない 一人殺せば一つの家庭が壊れる・・それでも救われる人が多いと信じて私はここに居る 諸君、君達はどうだ?各々の理想は違うだろう・・その上で問う 私は間違っているかどうかをだ」 全員「ボスは間違っていません! 全てを救うのは何者にも不可能です!」 俺「・・私は良い部下を持ったな ・・さあ諸君、Operation-Guillotineを行おう 俺と空W部隊、友の制圧部隊は研究所へ! 残りはお偉方の所へ! 各部隊各々の任務を終え次第帰還! 幸運と魔神の加護を我等に!」 全員「幸運と魔神の加護を我等に!」 ―――――――― オラーシャのとある研究所前 俺「“エンゲージ” ・・行こうか諸君 良い気はしないが後世の為だ」 友「お前は相変わらず銃を持たないんだな・・」 俺「扶桑刀とナイフがあれば十分だ 銃で味方を撃たないとは限らないしな」 腰に扶桑刀を4本両手に2本 背にナイフを6本 十分だろ? 俺「友、ハンドグレネードを 開戦の合図を出そうじゃないか」 友からハンドグレネードを受け取り研究所へ投げ付ける 爆発と同時に断末魔が響く 嫌な音だ 俺は走りドアを蹴破り入口付近に居た数人を斬り刻んでいく 空W隊員2「隊長はボスの事大好きだから尚更辛いんですよね・・・」 空W隊長「ええ・・私は彼を愛してますわ でも私は伴侶になりたいわけではないのですわ ただ彼の幸せの為に重荷を少しでも背負ってあげたいのですわ 私・・おかしいかしら?」 空W全隊員「私達は・・そんな隊長を尊敬しています」 空W隊長「ありがとう、みなさん」 ―――――――― 研究所内最深部 俺「お前で最後だ・・最高責任者」 最責「貴様・・恩を仇で返す気か・・」 俺「結果的にそうだな・・ お前の部下から貰った情報はありがたかったぞ? じゃあな」 最責「待て!私には家族がいるんだぞ!? それでも私を殺せるというのか!」 俺「それでも誰かが救われるなら殺す 遠慮無く、知り合いだろうがだ」 最後の一人の首を斬る …血まみれだな…俺 友「帰ろうぜ・・こんな所に長居はしたくない」 俺「ああ・・・ 全部隊に告げる・・作戦終了!帰還する」 ―――――――― 同日夕方…501st執務室 ミーナ「少佐・・少し調べていたらオラーシャで一つの研究所とお偉方含む数十人の死人が出たとあったの・・ でも表向きにはなにも無かったことになってるの・・どう思うかしら?」 もっさん「余程知られたくない研究をしていたのか? ・・まさか俺がやったのか?」 ミーナ「わからないわ・・ でもいくら俺さんでも各国に口利きは出来ないでしょうし・・」 もっさん「何故各国なんだ? オラーシャでの事じゃないのか?」 ミーナ「どの国もなにも言わないのよ? 普通何があったか、犯人は誰かわかったか? くらい聞くんじゃない? でもどの国も何事も無かったかのようにしてるのよ」 もっさん「戻ってきたら俺を問い質してみるか・・・」 ―――――――― 昼…??? 陸W隊長「おかえり、お姉ちゃん、ボス ボス・・シャワー浴びてきなよ血まみれだよ?」 俺「ああ、ただいま そうだな・・ありがとう」 俺は…この血で穢れた両手で二人やルッキーニの頭を撫でたりしてるんだな… 友2「俺・・お前が考えてることはわかる・・ お前の手を血に染めてんのは俺達の責任でもある 一人で背負うな だから気にせず妹と仲良くしてくれ」 …お前達の責任じゃない 俺が命令して部下の手まで穢してんだぞ… 友「まーた“俺が命令してお前達の手まで穢してるんだぞ”とか考えてんのか? 馬鹿言ってんじゃねぇぞ、俺は自ら手を汚してんだ 馬鹿にすんなよ」 俺「馬鹿にしてはない・・ だが俺の命令で余計に汚してるのは事実だしさ・・ いや、スマン気負い過ぎだな」 空W隊長「・・・くっ!この馬鹿ボス!」バチン 俺「アリサ・・?どうしたんだ? なにか嫌な思いさせてしまったか? ごめんな・・あんな血生臭い戦場に連れていって・・」 アリサが俺の胸倉を掴む …泣いてるのか? 俺は誰か泣かせてばかりだな… アリサ(空W隊長)「そんなことじゃないですわ! 私はなにもしてませんがボスと一緒に戦えて嬉しかったですわ! もっと・・私や部下を頼ってください! 私に・・背負わせて下さらないの!? ボスだけが・・辛い思いをするのは堪えられませんわ・・」ウッ…ウウッ 俺「ごめんな・・ みんなさ・・辛い思いをしてるからここにいるわけだしさ・・ 余計に背負わせたくないんだ・・ お前の事は家族くらいにしか思えないけど好きだしな」 アリサ「悲しい本音ですわね・・ありがとう、ボス でも私達はそこまで弱くはありませんわ・・・」 友「・・お前の命令で余計に手を汚してるのは確かに事実だ、そこは否定しない でもお前の命令で動きたいんだよ・・みんな 泣くなよ俺・・みっともない」アト、イチャイチャスンナ 俺「少し流すくらいなら良いだろ・・ 俺は部下に恵まれてるよ・・」 友「シャルロッテもお前も心に溜め込み過ぎなんだよ・・ もうあいつはいないけどな・・ ・・シャワー浴びてこい」 俺はシャワーを浴びた後作戦の成功を祝ってちょっとした宴会に参加した 祝う事じゃ無いがみんなも酒を飲んで忘れたりしたいのさ… 酔ったアリサには説教くらったけどな! こいつには飲ませるなって言ってあるだろうが… 宴会の後少し休みまた友にボス代理を頼み シャルロッテの墓に手を合わせ…基地へと帰還する あxs
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ストライクウィッチーズ 第413統合戦闘航空団より 302 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/09(月) 22 02 54 ID eVfzUOjQ / / ,. / レノ! !ヽ、 、'、', /, i /|/ ノ'!! 从 i ,丶ヽ} i/i , | / ト-‐'' ヾヘト‐-トヘ!ヘ. ', レ'゙|i'v ‐--' `--‐ ´i ヘト' 、.ゝ'、 、 ,κ了 貴様らには常識がないな。まったく・・・ フ'./ヽ.、 rっ , l」';.ヘ __|__,L-r(i`' -‐´ i)` 、⊥.L..、 _/` 'ー┤ ',\ ノ r 、|ー‐'r \__ .「,_ '、 i ', ,X∠,w' | .,' '´ '、 / .Vr'レvト,シ楽く-γヽト‐、 丶 ./ //. ´/ハ', 厂丶、 \ , ' / 八. i ||゚|| i ./ 丶、 ヽ、丶 '<. ヽ ! || !| i. ,' /" 丿 丶 ┤ ', l_l |゚|i_i ; l '/ 丶 ゝ ; .| ! ,′ ,/ ノ | ゙ ` .、 .ノ |゚| .{ iゝ、 / 丶 /´` 、 /o.~) ! ! ( ̄o'; / ,ゝ、 / 丶'7 l |__r-.,/ ! | ';r''ヘ,___iイ | (、、、h‐-/ / !‐l ヘ ';-‐ト,ノソ ``´ |. ゝ'、 '; .| /人\. '; | / !! .|\\ '、 303 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/09(月) 22 03 56 ID 89ZbfHlg 302 ズボンをつかみながら言っても説得力がありませんわ 304 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/09(月) 22 04 28 ID dbtrHMJS シャーリー「姉貴。この書類の書き方教えてくれよ」 305 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/09(月) 22 09 37 ID dbRGrW9x 304 __ , <  ̄ `>、 / i ヽ ヽ、 / ;! /l ; \ ヽ // / / ;ハ / Vト、i ヘ ハ 残念ながら女同士で婚姻届は受理されない ,イ/ / / / ,Y- ハ ヽl ヘ l 不本意かもしれんが、養子縁組で私の妹という事で我慢しろ. // / イ // l i ! l! .V '; ! jイ ;イ ;∠ィ-―- vヘ |-t―ト、 V. l / l / ,イチム V!ィ升へ V v-、). ´ l 人! 弋_ン `弋_ク V.,イ/ レ ハ , /_ノ '´ rニヘ、 _ _ / _二7 / ;> ィ´l_ハ ヽ. / 7 /`!ー .<ト、 ! ヘ l l/ lノ ,V ヽ、 l l l; ィ/ lヘ _ ノ/ _ .へ!、 l_ r‐(二イ レ^ く_ //// ト、_ コ-、 / l i / ヽ! / Li/ l / l 562 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 01 16 46 ID t/Qb0fAQ ルッキーニ「探し物は何ですか 見つけにくいものですか 脱衣所の中も 食堂の中も 探したけれど見つからないのに まだまだ探す気ですか じゃああたしと追いかけっこしませんか ペリーヌのズボン ペリーヌのズボン 取り返したいと思いませんか ウジュッジュー ウジュッジュー」 567 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 01 23 25 ID M7RG0Udv 562 ルッキーニ「探すのをやめたとき エイラに見つかることもよくある話で 使いましょうエイラのズボン 下に行ってみたいと思いませんか~ ウジュッジュー ウジュッジュ- 」 シャーリー「ごぉぉらぁぁぁぁぁー」 896 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 18 07 24 ID kojRqc2W __ , <  ̄ `>、 / i ヽ ヽ、 / ;! /l ; \ ヽ // / / ;ハ / Vト、i ヘ ハ 無口…クールはいいものだ ,イ/ / / / ,Y- ハ ヽl ヘ l 宮藤も熱血キャラはやめてクールにだな…. // / イ // l i ! l! .V '; ! jイ ;イ ;∠ィ-―- vヘ |-t―ト、 V. l / l / ,イチム V!ィ升へ V v-、). ´ l 人! 弋_ン `弋_ク V.,イ/ レ ハ , /_ノ '´ rニヘ、 _ _ / _二7 / ;> ィ´l_ハ ヽ. / 7 /`!ー .<ト、 ! ヘ l l/ lノ ,V ヽ、 l l l; ィ/ lヘ _ ノ/ _ .へ!、 l_ r‐(二イ レ^ く_ //// ト、_ コ-、 / l i / ヽ! / Li/ l / l 897 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 18 10 26 ID HFlJ3BrK |ト、 .-y=====┐.. イ! || ' . / ヽ. `く || |レ'. . ノ  ̄ ̄ ̄ \ . ヽ!! /_/ ∞ \ ', [___________] 896 l. / . . .,'. . .. l/‐-/ l. / -',. . . . , 何言ってるんですか。私はいつもクールですよ? V. . ‐l . . ちホ /ちホV. . .', だからおっぱい揉ませてください ,. '. . .{ |. ./{ ト-j ト‐j l∧. .'、. ∠イ',八__|/_ `´ `´ ハ.∧. .\ )ハ \ 'ー=-' ノ  ̄ Vl 〕 r≦ ,x ヽ `x / \ヽ \___} //ヽ 898 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 18 12 24 ID 4besFGew 897 ___ , . ‐  ̄ .`丶 / ./ l .ヽ .ヽ ヽ. / ./ l |l. .ハ ハヾ__ _ヽ 〃 ./|l |. ハ ハ ハヾー-- ハ ハ . .リ⊥  ̄/イ´ ̄` }ニ彡ノ ヽ わっはっはっは!何を言っているんだ!. {! L ハ 〃Y r===、 Yr‐ 、 . .ハ 今の時代は熱血だ!燃えた者が勝つる! }〃丿, 〃.ぇ } } . .l 燃え上が~れ!燃え上が~れ!燃え上が~れ宮藤~! ├‐' r-―┐ ! __,ノ! l ヽ ∨ ノ ィク_ |ト. l >、 ー , ... |⌒ヽ. |!ヘ . l `¨T _,.ィ゙! l! V | 「V´ ,⊥-==ー戈{ /゙゙fニニア゙イ」 -‐ 彡'゙¨ ̄ / ハ. / / ヾノrぅ ´ 〃 ー---ハ r'゙〃 / 〈  ̄¨''ー--} ストライクウィッチーズ 第414統合戦闘航空団より 55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 21 21 25 ID SdRP8+jH トゥルーデお姉ちゃんが二期の正ヒロインに決まったと聞いて 病院から飛んできました 56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 21 22 06 ID QrgjwJ7g クリス無理するなよ・・・ 58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 21 23 22 ID M7RG0Udv 55 トゥルーデ「落ち着けクリス、それよりズボンを穿かんかぁぁ!!」 431 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 01 32 58 ID lbAoAWsH |┃三 |ト、 .-y=====┐.. イ! |┃ || ' . / ヽ. `く || |┃ |レ'. . ノ  ̄ ̄ ̄ \ . ヽ!! |┃ /_/ ∞ \ ', ガラッ.|┃ [___________] 今日はミーナ隊長の |┃ l. / . . .,'. . .. l/‐-/ l. / -',. . . . , おっぱいの話がない! |┃三 V. . ‐l . . ちホ /ちホV. . .', |┃ ,. '. . .{ |. ./{ ト-j ト‐j l∧. .'、 |┃三. ∠イ',八__|/_ `´ `´ ハ.∧. .\ |┃ )ハ \ 'ー=-' ノ  ̄ |┃三 Vl 〕 r≦ |┃ ,x ヽ `x |┃ / \ヽ \___} //ヽ 432 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 01 34 09 ID Dz1FdrS4 隊長のおっぱいは見て安心できる重量感 いっぱい!ってほどじゃないけど、あるねっ!って感じの安心感のある乳 470 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 04 22 57 ID rN1Cw1WO 芳佳・エイラ・ルッキーニ 「♪今日は中佐の誕生日で 乳が揉めるぞ~ 乳が揉める揉めるぞ~ 乳が揉めるぞ~ という訳で揉ませてください、中佐。 567 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 13 12 01 ID U0Y5ZHL8 __ , <  ̄ `>、 / i ヽ ヽ、 / ;! /l ; \ ヽ // / / ;ハ / Vト、i ヘ ハ ,イ/ / / / ,Y- ハ ヽl ヘ l. // / イ // l i ! l! .V '; ! jイ ;イ ;∠ィ-―- vヘ |-t―ト、 V. l / l / ,イチム V!ィ升へ V v-、) 私はバニーの格好. ´ l 人! 弋_ン ' 弋_ク V.,イ/ そして宮藤に狼の格好をさせれば レ ハ , /_ノ '´ 宮藤に襲われる構図が出来上がる(性的な意味で) rニヘ、 ,____., / _二9 / ;> `ーi!′ ィ´l_ハ ヽ. / 9 /`!ー .<ト、 ! ヘ l l/ lノ ,V ヽ、 l l l; ィ/ lヘ _ ノ/ _ .へ!、 l_ r‐(二イ レ^ く_ //// ト、_ コ-、 / l i / ヽ! / Li/ l / l 581 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 13 31 04 ID AfFSXn9C 「お前も妹だからな お前の乳は私のもの 私の乳は私のものだ シャーリー」 642 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 17 10 35 ID b5/vcz+J エイラに告白されてなんだかよくわかんなくなってギクシャクしちゃうサーニャかわいい エイラもふられたと思って自暴自棄になってネウロイにやられそうになったときにサーニャが盾になって墜落 エイラが駆けつけるとサーニャがショックで心臓が止まってて エイラ涙ボロボロ流しながら人工呼吸 心臓マッサージ 必死の救命措置のかいあってサーニャ蘇生 サーニャに抱きついてわんわん泣くエイラ ネウロイは増援のウィッチが倒してみんなで帰還 その日1日サーニャにつきっきりのエイラだったが 今さらサーニャに人工呼吸したのを思い出して真っ赤に サーニャもエイラに本当にあいされているのをわかって告白OK 648 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 17 20 55 ID IU1WFm5Q エイラ「サ、サーニャ!スススススキナンダナ!!」サーニャ「私もエイラの事好きだよ・・・」エイラ「!!!!!サーry」宮藤「じゃあじゃあ!サーニャちゃん私のことはー?」サーニャ「芳佳ちゃんも大好き・・・」宮藤「えへへ~照れるな~///」エイラ「ミ!!ヤ!!フ!!ジーーー!!」 | /\ | / イ | |/ __、ヾ |i / / ,,イ| /イf´ トミXハ ノ/_,,≦、、.| / ヾ弋C ノ ヾ|/! ´,f´ ハY´ ` ̄... .. 弋C ノ |! /|// , /|/丶´ '' 652 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 17 30 43 ID yrJrXbL4 宮藤におっぱ揉まれて股間がネットリビショビショップなリーネとか 夜中にハルカに乳首弄られて指2本挿れられて獣のような声を出す智子とか 皆が寝静まってサーニャも出て行った後部屋で2人ああんなミーナ隊長と坂本少佐とか 色々あるネー 654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/03/11(水) 17 33 13 ID n0CMbUtK / / ,. / レノ! !ヽ、 、'、', /, i /|/ ノ'!! 从 i ,丶ヽ} i/i , | / ト-‐'' ヾヘト‐-トヘ!ヘ. ', レ'゙|i'v ‐--' `--‐ ´i ヘト' 、.ゝ'、 、 u ,κ了 ミーナにケーキのひとつでも買おうかと思ったらポケットに1銭もないな フ'./ヽ.、 rっ , l」';.ヘ 景気が悪くてケーキも買えなかったとでも言っておくか __|__,L-r(i`' -‐´ i)` 、⊥.L..、 あぁちょっとばっかりねんどろ宮藤買いすぎたかな・・・・ _/` 'ー┤ ',\ ノ r 、|ー‐'r \__ .「,_ '、 i ', ,X∠,w' | .,' '´ '、 / .Vr'レvト,シ楽く-γヽト‐、 丶 ./ //. ´/ハ', 厂丶、 \ , ' / 八. i ||゚|| i ./ 丶、 ヽ、丶 '<. ヽ ! || !| i. ,' /" 丿 丶 ┤ ', l_l |゚|i_i ; l '/ 丶 ゝ ; .| ! ,′ ,/ ノ | ゙ ` .、 .ノ |゚| .{ iゝ、 / 丶 /´` 、 /o.~) ! ! ( ̄o'; / ,ゝ、 / 丶'7 l |__r-.,/ ! | ';r''ヘ,___iイ | (、、、h‐-/ / !‐l ヘ ';-‐ト,ノソ `` ´ |. ゝ'、 '; ; .| /人\. '; ; , ; | / !! .|\\ '、
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目次に戻る 俺「ストライクウィッチーズだぁ?」 184-203 『ただ今は、一人の為に』 その1 その2 ※この21話はプロットの中でも最もウィッチーズの出番の少ない回です。この前半は、ウィッチが出て来ません ※20話よりもネウロイさんが喋りまくっちゃってます。(ちゃんと理由あるけど)でもネウロイが喋るのはこれっきりです ※多分今回が厨二戦闘のピークです。いつもやりたい放題すまぬ・・・ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 184 :試作な俺-21話-ただ今は、一人の為に:2011/05/11(水) 11 25 28.52 ID Gg6QmikaO 推進BGM的な物 <ローマ・市街地> 普段は平和な筈のローマの街。度々ネウロイの脅威に晒されながらも、人々が力強く生きる『強い街』 その上空で現在、激突している2つの影が居た 人型ネウロイ「―――――――!」 ビシュゥン! 俺「ハッ!」 サッ 隙を突いてバルクホルンをローマまで拉致し、俺を誘い出す為に彼女を傷つけた「人型ネウロイ」。 そして「拒絶反応」を引き起こしてカプセル内で眠っていた筈だったのだが、今こうして彼女の危機に駆け付けた「俺」 それぞれの「普通」を凌駕する2人(1人と1体?)が、美しい街並みのすぐ上で激闘を繰り広げていた 人型ネウロイ「――――――――――!!」 ビシュゥン! 俺「」 ギュオッ! 正面から人型が放ったビームを減速無しのロール軌道で回避。そのまま速度を落とさずに、一気に肉迫する 俺「そらぁっ!!」 バキッ! 振りかぶった右腕にテウルギストの加速を乗せ、そのままの勢いで顔面を殴り飛ばす 人型ネウロイ「――――!」 ベコッ…… 殴られた衝撃で人型の顔面装甲が少し凹む。 次に左のアッパーを叩き込み、そのまま連撃。 「牙」を使って強化した拳で何度も、頑強な金属の装甲を躊躇無く殴り飛ばす 人型ネウロイ「――――――――!」 ブンッ! 人型の反撃。左腕の大型クローを振るって俺を叩き落とそうとするが、テウルギストの急加速で軌道を変更して回避。 カウンターでもう一度顔面に右ストレートを叩き込み、その鉄の体ごとぶっ飛ばした ポタポタ・・・ 俺「あーあー、血ィ出ちゃってるよ。固ってぇみたいだなテメェ」 「牙」を肉体に使った反動で俺の両拳は傷つき、出血していた。滲んだ血液が雫となって、握りしめた拳の隙間から垂れていく 人型ネウロイ《残念だったな。これしきではダメージにもならん》 人型ネウロイの無機的な声が頭に響く。そう言いながら体を再生させ、凹んだ装甲はあっという間に元通りになった 前述したが、この人型はネウロイの中でも普通ではない。何せテレパスとは言え人との会話が出来るのだ。それに加えて多彩な攻撃方法を持つ、今までとは『異質』の敵だ 人型ネウロイ《無駄な真似はよせ。そんな脆弱な攻撃では、到底我々を倒す事など出来ん》 俺(”牙”じゃあ駄目か……) 現在俺はγ-グリフェプタンの服用効果の一つ、『肉体超強化』と、魔力変換の固有魔法の能力の一つ、破壊力を増す『牙』を使っている為、 素手の拳としては常人を超越した破壊力を生み出していた。 しかし、それでも『凹ませるだけ』なのだ。 これはパンチが弱いのでは無く、相手の防御が強いのである。特注の魔弾を使ったバルクホルンの攻撃も効果が薄かった為、小さいながらこの人型の固さは相当なモノなのだろう 俺「そうかそうか。それなら・・・」 俺「”尖牙”・・・・・!」 コオォォ…… 俺の両拳を包む魔力の青い光が、より強く輝きを増す 人型ネウロイ(あの光は・・・!) ビシュゥン! 本能的に危険を察知した人型は、輝きを増した拳を構えて突っ込んでくる俺をビームで迎撃する。 俺はそれをほぼ直角に回避。一瞬でビームに対しほとんど垂直になり、即座に再加速。人型に再度肉迫して拳を振りかぶり、そして─── バ キ ィ ! ! 人型ネウロイ「――――――――!?」 パキッ…… 先程までよりも盛大に人型はぶっ飛ばされる。そして殴られた箇所は大きくひび割れ、崩れて白い破片が散っていた 俺「どうした? ネウロイでも痛みは感じたりすんのかぁ?」 人型ネウロイ(装甲を抜けて来た・・・!?) 俺「テメェはスクラップ程度じゃ飽き足らねぇ……。跡形も残らねぇ程にしてやるよぉっ!!」 ギュオォッ! テウルギストを噴射し、人型に殴りかかる。更に破壊力の増した拳で、その存在すら消し去るような勢いで、怒涛の如く拳を叩き込む。ひたすら殴りまくる 俺「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」 ドガァ!! 人型の体を殴り倒し、地上へと叩き落としながらその落下中さえも執拗に攻撃し、最後には地面に突っ込むようにぶっ飛ばした。 ドッゴォーン・・・・・・! 人型が激突した事により石畳が砕けてモクモクと土煙が上がり、その姿が見えなくなる 俺「やったか? ・・・いや───」 187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 11 39 47.81 ID M/ixyF+q0 しえんぬ 188 :試作な俺-21話 支援ありがとう:2011/05/11(水) 11 42 19.39 ID Gg6QmikaO ジャキン! 人型ネウロイ「――――――――――!!!」 ギュオッ! 俺「そんなワケねぇよなぁ!」 ジャキン! 土煙を吹き飛ばしつつ、人型が俺に急接近。右腕に格納していた剣を取り出して襲いかかる。 俺は即座にブレイドライフルを抜き、斬撃モードに切り替えて迎え撃った ガキィンッ!!! 剣と剣。力と力のぶつかり合い。金属同士のぶつかる音と共に、火花が飛び散る 人型ネウロイ《・・・素晴らしい》 俺「あ"?」 鍔競り合いの最中に人型ネウロイが発したのは、そんな理解に困る言葉だった 人型ネウロイ《その獣のような闘争心、戦闘能力・・・。今までの中でも一頭地を抜いている。素晴らしい、やはりキサマは素晴らしい…!》 俺「・・・何言ってんだテメエ。トンじまったのか?」 人型ネウロイ《いいや、我々は正常だ。この上ない程にな》 俺(”我々”ってコイツの一人称か? ややっこしいなオイ) 人型ネウロイ《キサマは最高だ。我々の目に狂いはなかった。ずっとキサマを見てきたのだからな》 俺「はっ、はあぁぁ?」 予想もしていなかった人型の言葉に若干動揺しながらも、更に腕に力を込めるようにして人型を弾き飛ばす。 鍔競り合いが解除され、距離の離れた両者は再び剣を構えて対峙する 俺「この変態ストーカー野郎が・・・! 何故俺を狙う?」 人型ネウロイ《わからないか? ”怒りし者”》 俺「またその呼び方か……、訳のわからない名前で呼びやがって。話が見えねぇな」 人型ネウロイ《そうだな・・・・・》 人型ネウロイ《キサマは、我が同胞の”歌”を聴いただろう?》 俺「・・・お生憎様だが、俺はテメエらの歌なんて聞いた事はねぇな。断末魔の叫びなら何度も聞いてるけどよ」 人型ネウロイ《いいや、確かに聴いた筈だ。日輪の輝きも届かない月明かりの下、白い海の上、キサマの2人の仲間と共にな》 俺(月明かり、白い海、2人の仲間・・・?) 俺「!(ハッ) まさか、あの時の・・・・・」 〔『ネウロイの歌・・・』〕 〔『歌、これが・・・か?』〕 〔『15000・・・、例の臆病ネウロイで間違い、無さそうだな・・・くっ』〕 〔『じゃあこの歌は、その臆病ネウロイが歌っているのカ?』〕 〔『〓 ―〓〓―・〓 〓〓=〓♪〓〓~〓〓=〓〓×〓〓 〓 〓 〓 〓〓〓 〓〓〓 ~〓―〓〓 〓〓 〓~♪』〕 〔『・・・ッ!! 頭に・・・響くんだよッ! ざわざわと・・・・・叫んでばかりでええええっ!!!』〕 俺「ラフレシアの歌か・・・!」 (※11話) 人型ネウロイ《その時に我々にも感じられたのだ。キサマの中の秘められた力が。究極とも言える圧倒的な力が》 俺(・・・覚醒状態だった頃の力の事か?) 人型ネウロイ《我々の同胞・・・、ある一個体はキサマの力を解析し、自らの力として利用しようとした》 人型ネウロイ《また別の一個体は、眠っているとは言え脅威的な力を持つキサマの事を危険視し、排除しようとした》 〔『嘘・・・・・直撃のはずよ!』〕 〔(バスターライフルに耐えた?・・・・いや違う。光が奴に吸い込まれていくのが見えた)〕 〔『 ━━━━━━ ━━━ ━━━━ ━━ ━━━━ ━━━━━━━━━━━』 ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!〕 〔『っ! まさか・・・バスターライフルのビームを吸収したとでもいうのか!?』〕 〔『角つきのネウロイ・・・、速さで俺と戦る気かァ!?』 ギュオッ!〕 〔『――――――――!!!』〕 俺「……なるほどな、全部繋がってたって事か」 俺(ラフレシアが歌で俺の力を感じ取り、パトゥーリアはそれを解析して利用した。(※12話)レグナントは危険視して叩き潰そうとした(※18話)) 俺「・・・で、テメエは俺に何してくれるってんだ。トチ狂ってお友達にでもなりに来たのかい?」 人型ネウロイ《その通りだ》 俺「は……?」 キョトン 人型ネウロイ《我々の同志となれ、怒りし者》 皮肉で言った言葉に対する意外な返答に、思わず俺は面食らう 俺「・・・どういうつもりだテメエ」 人型ネウロイ《仲間になれと言っているんだ。キサマにはそう言う資格がある》 俺「資格?」 人型ネウロイ《同胞が歌でキサマの力を覗き見ていたその時、我々にも見えたのだ。キサマが心の奥底に押し殺しているモノがな》 俺「・・・・・・・」 人型ネウロイ《そんな感情を持っていながら、何故キサマは未だに人間と共に居る? 何故自分自身の事を誤魔化して、奴らと手を取り合って生きる?》 人型ネウロイ《そんな事をする必要はないだろう。我々と共に来て、その感情のままに全てを破壊し尽くしたいとは思わないのか》 俺「思わねぇな」 人型ネウロイ《・・・何故だ?》 俺「自分だけ不幸ぶるつもりはねぇよ。辛い事や悲しい事と一緒に生きているのは、誰だって同じ筈だ」 俺「確かに理不尽だと思う事はある。だが例え俺がどんな目に逢ってたとしても、それで無関係な人間を傷つけて良いって言う理屈にはならねぇだろうよ……!」 人型ネウロイ《感情を理性で抑え込むか……。人間のそういう所、我々には理解出来んな》 人型ネウロイ(ならば覗かせて貰うとしよう。キサマがその感情を持った原因を。それを抑え込んでいる理由を・・・!) ギュオォッ! 俺「!」 ガキィン!! 会話を中断し、突如人型が仕掛けた。俺は右腕の刀剣による一撃を、斬撃モードのブレイドライフルで受け止める 人型ネウロイ「――――――――――」 ブンッ、ブンッ 俺「ハッ!」 キィン! ガキィンッ! 即座に人型は追加攻撃。負けじと俺も反撃し、火花散らして丁々発止と斬り結ぶ ピッ・・・ 人型の刀剣が掠り、俺の頬に細い赤線を刻む ―――――――――――――――――――― 人型ネウロイ《・・・なるほど、キサマの事情と過去は理解した》 俺「あ"あ"っ!?」 幾度となく激しく斬り合った後、再び人型が話しだす 人型ネウロイ《不幸だな、キサマは》 俺「俺が不幸だと・・・?」 ピタッ 人型ネウロイ《キサマは縛られた存在だ。自由を失った命など、何の意味も持たない》 俺「! テメエ・・・、俺の記憶を!」 人型ネウロイ《人間とは残酷なモノだな。同族を改造して兵士にしてしまうとは・・・。いや、キサマの場合は消耗品か。哀れだな》 俺「ネウロイに同情なんかされたくねぇよ。テメェとは殺し合ってる方がよっぽどマシだね」 人型ネウロイ《だが、我々がキサマを自由にしてやろう》 俺「・・・は! テメエに助けなんざ頼んだ覚えはねぇよ」 人型ネウロイ《虚偽の勇気を口にするな。我々の同志となれ。そうすればずっとキサマを苦しめて来た呪縛を解き放ってやる》 俺「デタラメな事を……!」 人型ネウロイ《出来る。自らの意志で”生きる”自由も、選択するという自由も、使い切られる恐怖や起爆の恐怖に怯えないで済む自由も、全部キサマにくれてやる》 俺「! ・・・自由になれるってのか」 人型ネウロイ《そうだ。自らの運命に抗いたいと言うのならば、我々と共に来い。繋がらない未来の為に戦う義理は無い筈だ》 人型ネウロイ《いいか、これが最後のチャンスだ。もう一度言うぞ》 人型ネウロイ《我々の同志となれ、人間》 俺「・・・・・・・」 196 :試作な俺-21話:2011/05/11(水) 12 12 12.68 ID Gg6QmikaO 俺「・・・ふ、くくっ、ははは…………」 俺「あはっ、あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」 突如俺は、狂ったように笑い始める 人型ネウロイ《・・・・・・・》 俺「はは、ははははは…………。遅え。遅すぎるんだよオマエ」 人型ネウロイ《遅い・・・?》 俺「せめて後五年・・・いや、三年早かったのなら、俺はオマエの誘いに乗って、やりたい放題に力を振るっていたんだろうな」 俺「……だけど、それはもう有り得ねぇ話だ」 人型ネウロイ《・・・何故》 俺「答えは簡単だ、俺はこの世界が好きになっちまったんだ。アイツらが必死に守ろうとしているこの世界がな」 俺「もう俺に…………この世界は壊せねぇよ」 人型ネウロイ《たったそれだけの理由で、自らの未来を捨てる気か?》 俺「ネウロイとしての未来なんざいらねぇ。だったら俺は、最後の最後まで走り抜けるだけだ」 俺「”怒りし者”でも、”プロト01”としてでもない……。ストライクウィッチーズの”俺中尉”としてな!」 197 :試作な俺-21話:2011/05/11(水) 12 17 56.43 ID Gg6QmikaO 人型ネウロイ《そうか、勧誘失敗か・・・。残念だ》 ジャキン! 俺「大体、俺がテメェの仲間になる訳ねぇだろ」 ジャキン! 人型ネウロイ《敵になると言うのならば仕方ない》 俺「最初に言ったよな? 相手が誰だろうと関係ねぇって」 人型ネウロイ《我々の脅威となる者は─────》 俺「俺の大事なモンに手ェ出すのなら─────」 人型ネウロイ《排除する!》 俺「ぶち殺す!」 ガ キ ィ ン ッ ! ! 両者が再び激突した。衝撃が走り、空が震える 人型ネウロイ《キサマは相当皮肉な運命を辿っているようだな! 我々には見えたぞ!》 俺「同情とかやめてくんない? ネウロイなんざに哀れまれるとか死にたくなるね!」 198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 12 19 35.94 ID aoCLmeoG0 支援 199 :試作な俺-21話 支援感謝です:2011/05/11(水) 12 23 09.14 ID Gg6QmikaO 人型ネウロイ《そうではない。キサマ自身も忘れてしまっている事だ》 俺「! 俺が覚えて無い記憶まで見えたってのか・・・」 人型ネウロイ《教えてやろうか? 実は過去のキサマは───》 俺「聞かねぇよ!」 ズガァッ! 人型ネウロイ《くっ・・・そうか!》 ローマの街。そのすぐ直上で、俺と人型は死闘を繰り広げる。 ふと眼下の公園に目を向けると、こちらを見上げるウィッチAと、その横で未だに気を失っているバルクホルンが見えた (トゥルーデ……) 脳裏に浮かぶは彼女の笑顔。思い返すのは彼女の温もり (そうだ。もう……何もいらない) 耳に残るのは彼女の声。思い出すのは彼女の優しさ (過去も未来も必要ない) 思い出すのは彼女と共有した時間。とても大切な思い出たち (ただ今は・・・1人の為に!!) 唯一残された記憶を支えにして俺は今、眼前の闇に挑むのだった 200 :試作な俺-21話:2011/05/11(水) 12 29 02.32 ID Gg6QmikaO 人型はビームとクローと刀剣。俺はブレイドライフルの射撃と斬撃を使い分け、互いを滅しようと猛攻撃を仕掛ける。 ローマの街に、不気味な金属の激突音が鳴り響く ガキン! ガキィンッ! 人型ネウロイ《キサマは判断を誤ったな。我々は救いの手を差し伸べると同時に、キサマに復讐の機会を与えたというのに》 人型ネウロイ《それをキサマは・・・自らかなぐり捨てた!》 ズガァッ! 俺「いらねえ。必要ねぇ。そんな理屈はどうだっていいんだよ……!」 俺「テメェはやっちゃいけない事をやった、だからぶっ殺す。それだけだ!」 ズガァッ! 人型ネウロイ《『やっちゃいけない事』・・・それは、あの女の事か?》 俺「……」 ピクッ 人型ネウロイ(フン、図星か……) 人型ネウロイ(こういう直情型の人間は、少し揺すってやれば簡単に隙を見せる……!) 人型ネウロイ《見物だったぞ? ちょっと他の人間を攻撃してやったら、世界第二位とあろうものが『やめてくれ』と涙を流しながら、この我々に懇願したんだ》 俺「・・・・・・・」 人型ネウロイ《何も出来ずに大事な物を壊され心を折られていく絶望の表情……最高だった。だがそれも奴自身の無力が招いた事。弱いというのは罪なものだな》 俺「・・・・・・・」 人型ネウロイ《一気に殺したりせず、じわじわと肉体と精神の両方を痛めつける……。我ながら酷い事をしたものだ》 人型ネウロイ《いっそひと思いに殺してやれば良かったんだ。 ・・・そう例えば誰かさんの”オトモダチ”のように、『 左 半 身 を 消 し 飛 ば す 』とかしてな!》 俺「……」 ピクッ 人型ネウロイ《死んでしまえば醜態を晒さずに済む。同列にただの肉片になってしまうんだ。”世界第二位”だろうと、”見習いウィッチ”だろうとな》 人型ネウロイ《なぁ、そうは思わないか…………? 『 ゼロ 』》 『記憶を読み取る事が出来る』。それはこのように、他人に触れて欲しくないトラウマや心の領域にも、易々と侵入を許してしまう事であった 俺「・・・おい。さっきからソレは挑発しているつもりか?」 人型ネウロイ《おっと、流石にこんなのは安過ぎるか》 人型ネウロイ(いかん、挑発が露骨過ぎだったか……) 俺「いいや……そうでもねぇよ…………」 ギュイーン・・・・・ 俺「効果は抜群だクソ野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」 ギュオッッ!!! 人型ネウロイ(! 速い!?) ズ ガ ァ ッ ! ! 人型ネウロイ《・・・ちぃ!》 人型ネウロイ「―――――――!」 ブンッ! 俺「せやぁ!!」 サッ、ブンッ! ズガァッ! 人型ネウロイ「―――――――!」 ブンッ! 俺「はン!」 サッ 俺「うらぁ!!」 ブンッ! ズガァ!! 人型ネウロイ《キサマ・・・!》 俺はブレイドライフルの斬撃モードで、執拗に何度も何度も斬りつける。 人型もやられっぱなしでは無くクローで反撃するが、まるで当たらない。 航空機と言う枠から外れた、テウルギストの異常にハイスペックな機動力・運動性能で全て回避し、一方的に猛攻撃。人型が斬られる度に光る破片が飛び散る 人型ネウロイ(馬鹿な・・・。この男、隙を見せるどころか益々動きが正確になっている。怒りが本来の力を凌駕させているだと・・・?) 人型ネウロイ(こいつに挑発は逆効果だったか・・・!) 俺「欠片も残さねえぇっ!!」 ブンッ! ズガァッ!! 人型ネウロイ(調子に乗って・・・!) 再度人型に刃が直撃し、装甲を抉り破片を飛び散らせる しかし─── ブレイドライフル「」 ビキッ、バキイィッ………… 俺「! ブレイドライフルが……」 人型ネウロイ《はは、ははははは!》 威力を上げるのに魔法力を注ぎ込み過ぎてしまった為、耐久力を超えたブレイドライフルは、ボロボロになって朽ち果ててしまった 人型ネウロイ(勝った・・・! あの背中の大型ライフルは・・・バスターライフルは、とてもこんな街中で撃てるような代物ではない) 人型ネウロイ(つまりコイツは、攻撃の手段を無くした事になる。我々の勝ちだ!) 俺「流石にこの大きさに、”尖牙”はやりすぎだったか…………」 俺(ごめんな・・・) 《ったく、何やってんだよ》 俺「! てめえ……」 その時、俺の頭の中に声が響く。だがそれは、目の前で勝ち誇る人型の声ではなかった その2へ
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俺「ストライクウィッチーズねぇ……」 149-196 作者 前1 149 :前1[]:2010/11/02(火) 00 25 52.01 ID tnRSEy3wO ――あの戦いのあと元666部隊の面々は、 ミーナ「あの子達の帰る場所は私達の所よ」 というミーナの発言で501に所属することになった。彼らは隊長と大変な事になっている仲間のの帰りを待つ… 男「エーリカ起きろ。食堂に行くぞ」 ガチャ 男「行かないのか?」クルッ エーリカ「キスしてくれなきゃ起きれなーい」 男「まったく…」チュ エーリカ「ふふっ///」ニコニコ 158 :前1[]:2010/11/02(火) 00 37 16.33 ID tnRSEy3wO ――我らがヒーロー達は命掛け戦っている仲間の帰還を待っているのだ。 ―元の世界― ミーナ「あの子達が向こうに行って随分経つわねぇ」 ズズッ・・・ 坂本「ああ、元気にやっているだろうか?」 ミーナ「心配いらないわよ」 坂本「ああ、そうだな」 ミーナ「あら!このお菓子美味しいわ」 坂本「ほう、どれどれ」 165 :前1[]:2010/11/02(火) 00 46 01.56 ID tnRSEy3wO モグモグ・・・ 坂本「うまいな」 坂本「しかしあの2人が居ないと基地が静かだな」 ミーナ(……そ、そうかしら?) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ゲルト「弟ぉー!どこだー!」 ゲルト「出てこないとお姉ちゃん寂しくて泣きそうだぞーっ!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 坂本「なに!?弟は今バルクホルンと一緒じゃないのか!」 坂本「すまんミーナ!ちょっと用事が出来た!」 ドタドタドタドタ 166 :前1[]:2010/11/02(火) 00 53 00.89 ID tnRSEy3wO ミーナ「……」 ミーナ「あなた達も充分騒がしいのよ…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ―ハンガー― シャーリー「キ84その部品とってくれ。あとそのレンチも」 キ84「はい」 シャーリー「ありがとう」 ガチャガチャ キ84「なあシャーリー」 ガチャガチャ シャーリー「ん?」 ガチャガチャ キ84「今度の休みにデートしよう」 ガキッ シャーリー「ああ///」 169 :前1[]:2010/11/02(火) 00 58 36.14 ID tnRSEy3wO ゲルト「ここに居たか」 弟「あ、お姉ちゃん」 ルッキ「わたしと遊んでたんだよー」 ゲルト「私も仲間にいれてくれ」 ルッキ「いいよー」 ルッキ「芳佳達も誘ってくるねー」 ゲルト「ああ。弟とここで待ってる」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー 坂本(先を越されたか!) 172 :前1[]:2010/11/02(火) 01 05 14.20 ID tnRSEy3wO ゲルト(ふむ…弟が私の相手をしてくれるのは嬉しい…) ゲルト(だが、あのバカがいないとなんか張り合いがないな…) ゲルト(早く帰ってくるんだリフレクト…) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ―庭― メガネ「水やり終わったよペリーヌさん」 ペリーヌ「ありがとうございます」 173 :前1[]:2010/11/02(火) 01 12 21.05 ID tnRSEy3wO ペリーヌ「ではお茶にしましょうか」ニコッ メガネ「そうだね」 テクテクテク ガッ メガネ「うわぁ」 ドンッ ペリーヌ「大丈夫ですか!」 メガネ「いててて…」 メガネ「!?」 ペリーヌ「どうしま…!?」 ペリーヌ「メガネさんのメガネが割れてますわよ!」 メガネ「僕のメガネっ!メガネが!メガネがあああああ!」 メガネ「ぐわああああああ」 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01 14 45.71 ID kiTIiLug0 さすがメガネwww 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01 15 21.64 ID 49EJ6P9p0 メガネわろたwww 176 :前1[]:2010/11/02(火) 01 17 48.72 ID tnRSEy3wO ペリーヌ「め、メガネさん!?」 ペリーヌ「お、落ち着いてください!」 メガネ「だって!だってー!」 ペリーヌ「……」 スッ かちゃ メガネ「っ……!?」 ペリーヌ「私のメガネをかけてください…」 メガネ「ペリー…ヌ…さん」 メガネ「そんなことしたら君が!?」 ペリーヌ「……」 178 :前1[]:2010/11/02(火) 01 25 44.42 ID tnRSEy3wO ペリーヌ「ええ…」 ペリーヌ「これでわたくしはよく見えません…」 メガネ「そんな…」 ペリーヌ「ですからその…///」 ペリーヌ「て、手を…///手を繋いでください///」ドキドキ メガネ「わかったよ!」 ガシッ ペリーヌ「///」ギュ メガネ「この手は離さない!」 メガネ「必ず君を連れて帰る!」 ペリーヌ「ええ///どこまでもあなたについて行きますわ///」 180 :前1[]:2010/11/02(火) 01 31 47.88 ID tnRSEy3wO ペリーヌ「今度の休みに新しいメガネを買いにいきましょう」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ―汚部屋― 男「これは…掃除しないとな…」 男「おいエーリカ!どこだ?」 エーリカ「男ぉーここだよー」 エーリカ「起こしてー」 男「どこに埋まってるんだ?」 エーリカ「ここだってー」 エーリカ「声のする方ー」 188 :前1[]:2010/11/02(火) 01 42 49.13 ID tnRSEy3wO ガサガサ・・・ 男「こんな所にいたか」 男「掃除するぞ起きろ」 エーリカ「抱っこー」 男「はぁ…」グッ ガシッ グイッ 男「うわっ!?」 ガタッ シーン・・・ ギュッ エーリカ「へへー捕まえたー」 男「はやく放せ。部屋掃除するぞ」 エーリカ「……男」トロン 男「っ……///」ドキドキ ちゅっ・・・ 193 :前1[]:2010/11/02(火) 01 52 24.56 ID tnRSEy3wO エーリカ「ん…んん///」 男「ぱぁっ…はぁはぁ」 エーリカ「ね…もう一回…」 男「……」 ちゅっ ちゅぱ エーリカ「はぁはぁ…」 ちゅっ エーリカ「んん///」 れろっ・・・ ちゅぱちゅぱ 男「はぁはぁ」 エーリカ「やめないで///」 男「ああ…」 ちゅっ ちゅぱちゅぱ エーリカ(幸せだよ男///) ちゅぱちゅぱ・・・ 196 :前1[]:2010/11/02(火) 02 01 45.97 ID tnRSEy3wO ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ドンッ 坂本「くそう!今日も先を越されたッ!」 坂本「最近弟が構ってくれん!」 坂本「ミーナ!なんとかしてくれ!」 ミーナ「そんなこと言われても…」 ミーナ「あ!そうだわ、今度休みをあげるわ!」 ミーナ「弟くんを連れて出掛けたらどうかしら?」 坂本「おお!ありがとうミーナ!」 俺団Ⅲ 7へ続く
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俺「さて、昨日の夜にやるかと言って、午前中にアンケートをとった小ネタの時間になりました! 進めていくのは俺と」 伯爵「やあ、(女の子は)みんな大好きヴァルトルート・クルピンスキーだよ。ウィッチのことなら、なんでも聞いてよ」 俺「……なんで伯爵なの? 俺、ロスマン先生にお願いしなかったっけ?」 伯爵「ひどいなー、ボクたち友達だろう?」 俺「え、友達? 誰と? 誰が?」 伯爵「知らなかったのかい?」 俺「全く存じません」 伯爵「じゃあ、恋人かも」 俺「なんで深くなるんだよ!」 伯爵「あはは、やっぱり悪友ってところだよねボクたち」 俺「……もうそれでいい。で、なんで伯爵がここにいるの?」 伯爵「ふふっ。だって、501以外の世界のウィッチを紹介するんだろう? 女の子の話ならボクの出番じゃないか」 俺「まあ、そうだが……でも伯爵、今回紹介するウィッチは知らないだろ?」 伯爵「ハンナの従卒やってるマティルダ君でしょ? もちろん知ってるさ!」 俺「なんでだ知ってんだ、おまえアフリカ行ったことないだろおい」 伯爵「だってハンナはかわいいかわいいボクの部下だったんだ。砂漠なんかに送られて寂しがって泣いてないか見に行くくらいするよ」 俺「マルセイユが、寂しがって泣く……?」 伯爵「実際はさっさと帰れとか言われちゃったんだけどね」 俺「あ、やっぱりか」 伯爵「ま、彼女なりの照れ隠しだよね、あれ」 俺「それは100%ねーから。つーかそんな時間いつあったんだよ」 伯爵「ボクの辞書に、不可能って文字はないんだ」 俺「そりゃただの落丁……っていかん、伯爵のペースに巻き込まれたら雑談だけで話が終わる」 伯爵「ひどいなぁ。ボクはいつも通りにやってるだけなのに」 俺「はいはいそうだな普段どおり予測不能だよ。まあいい、とりあえずさっさと本題に入るぞ。今日のウィッチは、さっきも言ったが今のところ唯一のアフリカ出身ウィッチのマティルダさんだ」 伯爵「ハンナの従卒だけど、ボディーガードとかバーや彼女の個室の管理もしてるね。ハンナの部屋にはボクも入れてくれなかったよ」 俺「そのお姿や今回では紹介しきれない情報はフミカネ氏のサイトで確認してくれ」 伯爵「マティルダ君は、ほんとハンナをかいがいしくサポートするね」 俺「鷲の化身を探せってお告げで一族から別れた程だから相当マルセイユを慕ってるだろうな」 伯爵「でも、あの一途なところがいいね。口数少なくハンナの影にいつも控えて、言葉を挟むことなく主を支える。男の子じゃなくても、憧れちゃうんじゃないかな?」 俺「うん、否定はしない」 伯爵「しかも彼女はジョーク好きで、どこかいつも余裕を持った感じがするね。アフリカの広い大地みたいな器って言うのかな?」 俺「凄く完璧超人のように思えるけど、高所恐怖症なんだろ?」 伯爵「みたいだね。でも、魅力を損なう要因にはならないよ」 俺「空飛ぼうよと誘われて必死に否定するマティルダさん……イイ!」 伯爵「いつもの余裕がなくなってるギャップがミソなんだね。バルクホルンの魅力の一つが堅物さと優しさの二律背反なように、完璧さの裏にある弱さってのもたまらないね」 俺「たまらんな」 伯爵「たまらないと言えば、ボクは彼女の肌がたまらないよ」 俺「またいきなり飛ぶね」 伯爵「あの黒い肌、どうしても目がいってしまうあの色が魅力的だよ」 俺「……この前は、白い肌を褒めてなかったか?」 伯爵「エディータとかの真っ白な肌は繊細さを醸し出す。ナオちゃんとかの黄色い肌は太陽みたいな健康的な元気さが感じられるね。そしてマティルダ君の黒い肌は力強さと生命力が瑞々しい。これはボクの持論でしかないけど、どんな色の肌にも魅力はあるんだよ?」 俺「さすがだわあんたまじ淑女」 伯爵「まあね。これでも伯爵って呼ばれてるからね」 俺「中型おっぱい派の俺としてはあの程よいサイズの胸も一押しだな」 伯爵「へー、あのサイズが好きなんだ」 俺「巨乳には圧倒的インパクト、貧乳にはつぼみのような可憐さがあるから、俺の好みではあるが、とにかく体全体との曲線的バランスを俺は重視するし、マティルダさんは素晴らしい!」 伯爵「うんうんわかるなぁ。あの張りのありそうな全身にこう手を這わせたくなるよね」 俺「あの黒い肌って、より全身が引き締まって見えるし、動物的なというか野性的なというかこう理性とか超越した本能的な官能美が醸されてる!」 伯爵「なんか、目がケダモノだよ……?」 俺「あと、あのYシャツ一枚の格好とのコラボレーションは男の夢と言って過言じゃない!!」 伯爵「水をかけたいね」 俺「かけたいな。透けて欲しい」 伯爵「避けられたけどね」 俺「実行したのかよ!!」 伯爵「うん、しかも水を無駄にするなって怒られた」 俺「馬鹿すぎる。だが、その自らに正直な姿勢は嫌いじゃない」 伯爵「お褒めに預かり光栄だ」 俺「惜しむのは成功しなかったことか」 伯爵「そうだね。彼女、ものすごい身体能力だったよ」 俺「だろうな。生身でも魔法を使ってるんじゃないかってくらいものすごいが、スリング投石で小型ネウロイなんか木っ端微塵とか半端ない。なんでも普通のウィッチとは違う魔法体系に属してるらしい」 伯爵「実に、残念だ」 俺「ああ、前線でも余裕で通用するこれほどの戦力が従卒で、軍属じゃないのは確かに残念d――」 伯爵「魔法行使に使い魔を使わないってのは残念だよ」 俺「あ、そっちすか……」 伯爵「だって、使い魔の耳とか尻尾が生えた姿だって見たいじゃないか。君だって見たいだろ?」 俺「そう言われると……見たいな」 伯爵「だよねえ。それにハンナもフラウもニパ君もナオちゃんも熊さんも他のみんなも、尻尾撫でた時の手触り最高だから余計残念だよ」 俺「……うらやましい」 伯爵「触りたいなら、君も触ればいいんじゃない?」 俺「同性の伯爵はともかく、俺がやったら殺される。生きてても痴漢でぱくられる」 伯爵「日ごろの行いの差ってことかな?」 俺「それは俺が圧倒的に勝ってる自信がある」 伯爵「やだなぁ、ボクこんなに真面目ちゃんなのに」 俺「変な方向に真面目であることは認めるが、一般的な真面目では絶対にない!」 伯爵「同じようなこと、もう他に三人から聞いたなぁ」 俺「そりゃ、伯爵知ってる人ならみんなそう思ってるさ」 伯爵「でも、ほとんど初対面だったのにストームウィッチーズ隊長のおケイさんにも言われたよ?」 俺「さすがおケイさん人を見る目がある。伯爵の人柄を一発で見抜くとは」 伯爵「でも彼女酷いんだよ? ちょっと後輩で元部下のところへ遊びに来ただけだってのに怒ってさ。せっかく美人なのにあれは歳だね、まあボクの守備範囲的には無問題だけど」 俺「おケイさんはBBAじゃねえぞおい!」 伯爵「しかも、それを伝え聞いたロンメル将軍に呼び出されちゃったんだよ」 俺「ちょ、おま、どんだけ問題起こしてるんだよ!!」 伯爵「ま、ちょっと腕組んで胸当てながらお願いしたらパットン将軍が許してくれたけどね」 俺「パットンおやじぃぃぃぃぃ! うらやまもとんけしからん!!」 伯爵「言ってくれれば、君にもやってあげていいよ?」 俺「え? まじ?」 伯爵「うん。ボクのお願い一つ聞いてくれるならね」 俺「はははなんだそんなことか。なんなりとお申し付けくださいませ!!」 伯爵「ありがと。それじゃあさ……」 俺「うんうん」 伯爵「熊さんには、君がボクを無理やり連れてきたってことにしといて」 俺「…………え?」 伯爵「いやー、助かったなー。きっと一晩耐久正座だ。頑張ってね、お・れ♪」 俺「Oh……」 ページ先頭へ
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アレハ誰ダ 九話 空を埋め尽くす、無数の黒い真珠。 放たれる光線は、まるで血の雨。 「わっ!」 芳佳はシールドで光線を反らした。 が、その勢いの強さに押し戻され、本体らしきネウロイには少しも近付けない。 負けじと撃ち返す機関銃の弾は、あまり効果をあげなかった。 「前に出過ぎるな、宮藤。集中攻撃を受けるぞ」 「は、はい」 空は銃声に満ちていた。耳が麻痺してしまいそうだった。 ミーナも、エーリカも、バルクホルンも、他の仲間達も、緊迫した表情を顔に貼り付け、引き金から指を離さない。 銃口から吐き出される弾丸を壁として、黒い真珠の群れの接近をどうにか防いでいた。 くり抜かれた無数の目玉を相手にしているかのようで、気分の悪さは普段の倍増しである。 「もー、何なのこいつら! 全然減らないじゃん!」 「弱音を吐くなハルトマン!」 呻くエーリカに、バルクホルンが檄を飛ばす。 その間も、二人は銃を撃ち続けていた。 真珠、それ自体は大して強くはない。銃弾の一発で風船のように破裂してしまう。 だが、二枚貝のネウロイは、瞬く間に減った分を補充する。 まるで、浜辺の砂を一粒一粒取り除いているかのようだった。 「このままじゃ、こっちが先にバテるぞ……っと!」 シャーリーが五条の光線をシールドで反らす。 息をつく間もなく、六、七、八と続く。 シャーリーはすかさず撃ち返した。 しかしブローニング自動小銃に、この状況を打破するような力はなかった。 ペリーヌは歯噛みしていた。 彼女の固有魔法であるトネールは、広範囲に渡ってネウロイに電撃を浴びせることができる。 黒い真珠の群れを、ある程度であれば一掃できるだろう。 だが、肝心の二枚貝のネウロイには、きっと届かない。 距離が離れていることもあるが、何より障害物が多過ぎる。 仮に届いたとして、表面を炙ることさえ叶うまい。 焦れているのは、エーリカも同じだった。 得意のシュトルムを使って、一気に敵の壁を突破し決着をつけたい。 だが、安易な攻撃は憚られた。 黒い真珠の群を挟んで対峙する二枚貝のネウロイは、初めて戦う敵である。 その能力が、ただ小型のネウロイを生産するだけとは限らない。 接近した途端、何かとんでもない隠し玉を披露する可能性がある。 例えそうでなくとも、ネウロイが見た目に違わぬ防御力を持ち、こちらの攻撃が通じなかった場合。 黒い悪魔としてその名を轟かせるエーリカとはいえ、囲まれて集中砲火は御免こうむる。 今でさえ手一杯なのだから、仲間の援護はあまり期待できない。 少しずつでも距離を縮めて、全員で攻撃する。 攻めるチャンスが来るまでは、耐え忍ぶしかない。 「あっちは、あんなことになっちゃってるし」 撃ち続けながら、エーリカは二枚貝のネウロイの傍に浮かぶ、巨大な黒い球体に視線を飛ばした。 それは黒い真珠が固まって作られたものであり、時折、隙間から赤い光が漏れ出す。 黒い球体は檻と処刑場を兼ねたものであり、赤い光は閉じ込めた敵への攻撃であると考えるのは、そう難しいことではない。 そして、中にいるのは――――― 「やっぱり、あそこにいるのって………俺さん、ですよね」 何時の間にか、芳佳の緊迫した顔が隣にあった。 「だと思う。ちょっと、やばいかもね」 圧倒的な戦闘能力を持つ俺でさえ、大多数には敵わないということか。 助けに行きたい、という思いがエーリカの胸を突く。 しかし、こちらが助けを請いたい状況で、それは現実的ではない。 だが、それはエーリカだけの意見だった。 芳佳は唇を横一文字に引き結ぶと、シールドを前方に展開。 止める間もなく、黒い球体目掛けて突進した。 「………へ?」 エーリカは場にそぐわぬ間の抜けた声を上げ、丸くした目で遠ざかる芳佳を見送った。 (さあ、どうしてくれよう) 外の激戦とは裏腹に、球体の内部にいる俺は、それほど焦ってはいなかった。 二十年間、ずっと戦い続けてきた。 戦い以外のことは忘れてしまうほどに。 敵に囲まれ、集中攻撃を受ける―――両手の指を折っても足りない。 もっとも、ここまで徹底的なのは、あまりなかったが。 四方八方から放たれるビームが超能力のバリアを破るまでには、まだまだ余裕があった。 この状態からの反撃も、そう難しいことではない。 にもかかわらず、敵による拘束を甘んじて受けているのは、俺の楽しみのためだった。 デーモンにとってデビルマンにとって、戦いとは喜びだ。活力だ。 生きるために戦い、戦うために生きる。 どこに在ろうとも、その本質だけは変わらない。 少しはまともな戦い――要するに、血を流しあえる――ができそうな相手を、簡単に始末してしまうのは、あまりにも勿体なかった。 球体の外で、ストライクウィッチーズが激しい戦いを繰り広げていることは知っていたが、大して興味はない。 こっちはこっちの好きなようにやるだけだ。 (……まあ、そうだな。あの宮藤芳佳が死ぬ前には終わらせるか) 赤い光のシャワーを弾きながら、俺はそう思案する。 その時。 「きゃあああっ!!」 耳を劈く悲鳴に、俺は振り返った。 直後、虚空に浮かぶ魔法陣に、黒い真珠の壁が一時的に破られる。 入り込んだ日の光に頼るまでもなく、俺の複眼は飛び込んできた芳佳の姿を捉えていた。 反射的に彼女の小さな体を受け止める。 唖然とする俺の顔を見上げ、芳佳はぱっと笑顔の花を咲かせた。 「あ……俺さん、無事だったんですね。助けに来ましたよ!」 その言葉を聞いて、俺は足が八本ある人間を見るかのような目で、芳佳を見た。 俺の聴覚が正常に働いており、なおかつ芳佳の口が真実のみを紡いでいた場合、彼女は俺を助けに来たということになる。 一丁の機関銃と、人並み外れて強力とは聞いているシールドだけを頼りに。 この大量過ぎる黒い真珠と、あの巨大な二枚貝のネウロイを相手にするには、少々心許ない武装だ。 「なんというか、な」 俺は慎重に言葉を選んだが、元々弁の立つ方ではない。 悩んだ末、直球を投げることにした。 「あんた、馬鹿だろう」 「ふぇっ!?」 「俺を助ける? その豆鉄砲を使ってか? それとも、今みたいに突っ込んでみるか?」 「あう……」 芳佳が空けた穴は、とうの昔に新たに補充された黒い真珠で塞がれている。 抜群のチームワークだ。それぞれに意思があるのか、二枚貝のネウロイが指示を出しているのかは知らないが。 例え、俺が誰かの助けを必要としていたとして、芳佳に出来ることがあるとは到底思えなかった。 (………それでも) 俺は、今にも泣き出しそうな顔の芳佳を、改めて見た。 実に弱そうだ。 筋肉もついておらず、兵士としての練度も、素人に毛が生えた程度に違いない。 強靭なるデビルマンにとっては、小さな羽虫のように貧弱な生物である。 ………それでも。 芳佳は、来たのだ。俺を助けるために。 弱いくせに、敵の群の中に、突っ込んできたのだ。 二人を包む球体の内部が、赤い光を帯び始める。 腹の中に子犬が一匹追加されたところで、予定に変更はないようだ。 四方八方からのビームで貫き、溶かし、殺す。 だが―――― 「ど、どうしよう……」 怯える芳佳とは対照的に、俺は莞爾として笑った。 口内にずらりと並んだ牙のせいで、酷く獰猛な笑みである。 「どうもこうも、道は一つしかない」 ――――そういうのは、俺の得意技でもある。 「やられる前に、こっちがやるんだ」 敵の群の中に突っ込んでいった芳佳を、どう助けるか。 坂本美緒がその事について悩む前に、問題は解決された。 きん。 きん。 きん。 隙間見る黒い球体から、澄んだ音が響く。 美緒は、この音に聞き覚えがあった。 とても身近な音だ。 「そうだ、これは」 鋭い刃に切り裂かれるネウロイが奏でる音楽。 鳴り止むと同時に、球体は微塵切りにされた黒い真珠の欠片と化し、塵と消える。 その中に佇む青い影。 背には蝶や蛾を思わせる羽。天に向かって伸びる櫛状の触角。 俺の両手から、その延長のように、長く鋭い氷の剣が生えていた。 半透明の刀身が、陽光を浴びて壮絶に輝く。 芳佳は俺の背中にしがみ付いていた。 今この場で、もっとも安全な場所かもしれない。 美緒は素直にそう思った。 危機的状況から脱出したとはいえ、戦いはまだ終わっていない。 数えるのも馬鹿らしい量の黒い真珠が動き出し、再び俺と芳佳を押し包もうとする。 「みんな、二人の援護を……!」 ミーナが指示を出すよりも早く、俺は動き出していた。 「生きて帰りたいなら、しっかり掴まっていろ」 「は、はいっ!」 答える芳佳に顎を引き………俺は、吠えた。 両手に生えた氷の刃が砕け散る。 ―――――おおおおおおおっ!! 断末魔の咆哮でも、哀惜の叫びでもない。 長く尾を引くそれは、戦いの歌だった。 戦の始まりを告げる法螺貝だ。 ―――――おおおおおおおっ!! 大気が揺れる。世界が揺れる。 美緒の鼓膜を震わせる咆哮は、歓喜に満ちていた。 「………っ」 美緒は、今すぐにでも、扶桑刀を片手にネウロイに飛び掛かりたい思いに駆られた。 そうするべきだ、と頭の中で声がする。 体内に流れる血が焼けつくように熱い。 彼女の理性の及ばない部分が、異様なまでに興奮していた。 知らず、口角が釣り上がる。 異界より来たという、魔獣の咆哮。 それを美しいと思う気持ちを、美緒はどうしても抑えることができなかった。 俺に殺到する黒い真珠。その数は百を越える。 次の瞬間、全てがほぼ同時に、氷の矢に射抜かれた。 まるで竜の体を覆う鱗のように、無数の氷の矢が俺を取り巻いている。 それは次々と射出され、その分、黒い真珠が減ってゆく。 黒い真珠が赤い光線を撃ち返した。 不可視のバリアに撥ねられ反らされ、返って来た氷の矢により塵と化す。 黒い真珠も、氷の矢も、減った分だけ補充された。 終わりの見えない、壮絶な撃ち合いが繰り広げられる。 そこに、ストライクウィッチーズは介入することができなかった。 下手に動けば、攻撃の嵐に飲み込まれる恐れがある。 氷の矢を撃つ俺は実に楽しげで、射線上に蝶が舞い込んだところで気にはしないだろう。 背中で震える芳佳を、邪魔と放り捨てないのが関の山か。 その時、二枚貝のネウロイに変化が起きた。 殻の奥底に蟠る闇の中から、赤い光が漏れ始めたのだ。 それは一秒ごとに膨れ上がり、今にも破裂してしまいそうだった。 何か、大きな攻撃が来る。 長年の戦いで培われた、美緒の勘がそう告げる。 「いいとも。俺も、そろそろ終わりにしようと思っていたところだ」 それからは、あっという間だった。 俺と芳佳の姿が、まるで煙のように消えた。 美緒は思わず手で目を擦る。 いくら俺が素早いと言っても、まったく視界に捉えられない速度で動けるものなのか。 それとも、何時か見た、テレポーテーションという力か。 ともかく、俺と芳佳は美緒の視界から消え……直後、二枚貝のネウロイの巨体が、内側から弾けた。 連鎖的に黒い真珠の群れも消滅し、一瞬にして空に平和が戻る。 粉々の破片の、ごく小さな一つが、美緒の目の前に飛んで来た。 凍っている。手に取ると、冷たさを感じた。 俺がネウロイの内部に入り込み、一瞬で凍結させたのだろう。 破片は、美緒の手の中で塵になった。 「おい」 顔を上げると、俺のエメラルド色の複眼と出会う。 逞しい腕には、目を回して気絶した芳佳を抱えている。 無造作に差し出された彼女を、美緒は慌てて受け取った。 腕に感じる温かみに安堵の息を吐く。 「……生きているようだな」 「当たり前だ。あの程度の奴を相手にして、俺が仲間を死なせるか」 俺が牙を剥き出しにして笑う。 美緒はふと違和感を覚えたが、それが何なのかは分からなかった。 「だが、少し疲れた。帰って休むことにしよう」 「待て」 羽を動かし、飛び去ろうとした俺を、美緒は呼び止めた。 「何だ?」 「いつも言いそびれていたからな。……協力、感謝する。ありがとう」 俺は何も言わなかった。 風もないのに、櫛状の触角がぴくぴくと震える。 四枚の羽を広げ、俺は上昇。基地のある方角へと飛んでいった。 見る間に小さくなってゆく青い影を見送ると、美緒は先程感じた違和感の正体に気付いた。 (仲間、と言ったのか。宮藤のことを) 翌日。 空は晴れ渡り、日差しの暖かさが眠気を誘う午後。 芳佳とリーネは、海に出る林の中を進んでいた。 ミーナに見つかれば大目玉、どころか懲罰のため、忍び足である。 「ねえ……やめようよ芳佳ちゃん……」 「ダメだよ、今日こそ絶対食べてもらうんだもん」 芳佳の手には、カレーライスが盛られた皿。 肉や野菜を程良く煮込んだ、自慢の一品だ。 芳佳が性懲りもなく俺のテリトリーに侵入しているのは、先日の戦闘で助けられた礼をするためだった。 俺の背中に貼り付くのが精一杯で、何時の間にか気絶してしまい、起きた時には医務室のベッドの上。 幸い怪我ひとつなかったものの、戦場で勝手に動くなと美緒に叱られてしまった。 いくら芳佳が強力なシールドを張れるとはいえ、命を落としてもおかしくはない、無謀な行為だったのだ。 俺の助けがなければ、今頃は三途の川で石を積んでいたかも知れない。 そんな訳で、芳佳は再び、俺が潜んでいる筈の林に足を踏み入れたのだった。 いろいろと、矛盾を孕んだ行動ではあるが。 リーネは、林に向かう途中の芳佳を発見し、止めようとしたが、歩みを鈍らせることさえできないまま、ここまで付いて来てしまった。 侵入者に驚き飛び立つ鳥にさえ、怯えて身を竦ませている。 彼女にとって、この一帯はネウロイの巣にも匹敵する魔境なのだ。 「カレーの前に、芳佳ちゃんが食べられちゃうよ……」 「俺さんはそんなことしないってば」 樹間が広いとはいえ、陽光は枝や葉に切り取られる。 林の中は、外に比べると若干、薄暗かった。 「うーん……やっぱり見つからないなあ」 このままではカレーが冷めてしまう。 冷めたカレーは当然、不味い。 それを幸いと思ったか、リーネの瞳が輝く。 「居ないんなら仕方ないよ。今日はもう帰ろ……」 「そうしてもらいたいもんだ」 背後から聞こえた声に、リーネは悲鳴を上げて手近な木の陰に飛び込んだ。 振り返った芳佳は、ようやく現れた俺に、主人を見つけた子犬のように駆け寄った。 俺の方は、不機嫌そうに眉間に皺を寄せていたが、そんなことはおかまいなしである。 人の姿をした俺を見るのは、いったい何日ぶりになるだろうか。 この機会を逃して、再び待つ次回は、きっと遠い。 「はいどうぞ! 今日はカレーライスです!」 芳佳は皿を差し出したが、経験上、俺が素直に食べてくれるとは思っていない。 彼女の背中には、ルッキーニから借りた虫取り網が紐で括りつけられている。 「ふふふふふ、今回はお皿を浮かしても無駄ですよ。この網で捕まえちゃいますから!」 ただ遊ばれていた訳ではない。 芳佳なりに学習し、対処法を考えていたのだ。 しかし、それは無駄な努力だった。 俺は無言で芳佳から皿を奪い取ると、刺さっていたスプーンを使って、カレーライスを食べ始めた。 皿が自分の手から離れた時点で、芳佳は虫取り網を構えたが、みるみる内に減っていくカレーライスに目を丸くした。 リーネは、芳佳ちゃんが食べられてる、などと呟きつつ木の陰で体を丸めていた。 デビルマンの食欲は旺盛だった。 カレーライスは、一分も経たない内に俺の胃の腑に収まった。 「勘違いするなよ」 「え?」 米粒一つ付いていない皿を差し出しつつ、俺は言った。 「あんたには、二度も助けられた。だから、少しは言うことを聞いてやってもいいと思っただけだ」 「二度も、って……」 「とにかく、そういうことだ。それ以上聞くな」 芳佳が皿を受け取ると、俺は踵を返し、背中を向けた。 一瞬、俺の頬に見つけた赤は、果たして身間違いだっただろうか。 芳佳はしばらく皿と俺の背中を交互に見つめていたが、やがてにっこり微笑み、 「じゃあ、次は部屋に案内しますね!」 「………調子に乗るんじゃない」 騒がしさの隙間を縫うようにして、一陣の風が吹く。 ざあ、と木々が揺れ、まるで林が笑っているかのようだった。 アレハ誰ダ 十一話
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俺「お晩です。ちょっと間は空きましたが『今日のウィッチ』のコーナーです。お伝えするのは、ウィッチはみんな大好きだけど一番好きなウィッチは当然いるよ、な俺と」 伯爵「やあ、愛と美の伝道師ヴァルトルート・クルピンスキーだよ!」 俺「はぁ……」 伯爵「おや? さっきからどうしたんだい俺? ため息ばかりじゃないか」 俺「ああ、実はな伯爵…………このコーナー、今回で最後なんだ」 伯爵「えっ?」 俺「記念すべき10回目なのに最終回なんだよ」 伯爵「や、やだなぁ、つまらない冗談はよしてくれないかい?」 俺「冗談じゃない、冗談じゃない、ほんとのことさ」 伯爵「そ、そんな……だったら、次からはどこでウィッチたちへの愛を叫べばいいんだい!!」 俺「伯爵……忘れちゃいけない。ここは俺ストパンスレだ。ウィッチへの愛は、こんな場末のコーナーではなく、作品に、SSに昇華して叫べばいいんだ! 本スレが復活した今こそそうなるべきなんだ!!」 伯爵「そ、それは……」 俺「そりゃあ、俺だって寂しい。だけどな、所詮この企画は避難所にあまりにも人がいなかったがゆえの賑やかし。投下が増えた今、役目は終えたんだよ」 伯爵「うん、そっか……なら!」 俺「そうだ! 最後だが、最後であるがゆえに!! ウィッチへの最高の愛を叫ぼうじゃあないか!!」 伯爵「このコーナーは確かに存在していたんだっていう証を、ボクたちでここに刻もう!!」 俺「そうだ! その意気だ!! 受けてみろ!! これが俺の全力全開!!」 伯爵「さあ俺! 今日紹介するウィッチを発表しておくれよ!!」 俺「おう! 最終回を飾る記念すべきウィッチはぁ! かっこいいのにかわいい。あれこれって矛盾? いいえ最高のフュージョンです! 立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花!! プンスキー伯爵ことヴァルトルート・クルピンスキーだぁぁぁぁぁ!!!」 伯爵「……えっ、ボク!?」 俺「なにを驚いているんだ伯爵?」 伯爵「い、いや、ボクって紹介する側じゃなかったっけ?」 俺「おいおい伯爵、お前だっていっぱしのウィッチじゃないか!! 紹介されるに足る条件は充分満たしているぞ!!」 伯爵「でもさ、ボクなんかよりかわいい娘のほうがよくない?」 俺「ぶぁああかもぉおおおおおん!!」 伯爵「わっ!?」 俺「なにを言うか伯爵!! お前さんは自身の持つ魅力に気づいていないのかぁ!!」 伯爵「ね、ねえ俺? なんか目の奥が渦巻いてて怖いんだけど……」 俺「そこになおれい!! この俺がみっちりと教え込んでくれるわ!!」 伯爵「けどボクはその本人なんだけど? 普通こういうのって本人呼ばないよね?」 俺「常識なんて夕陽の海に捨てろ!! それに安価は絶対だぁ!!」 伯爵「おかしいな、俺のテンションがおかしい。ボクが言うのもあれだけど、いつも変人なのに輪をかけて変だ……」 俺「よーし、伯爵が納得したところでさっそく紹介を始めるぞぉ!」 伯爵「あー、これは止まらないパターンだね。しょうがないなぁ、付き合ってあげるよ」 俺「では、まずは簡単に伯爵の経歴を見ていこう」 伯爵「なんだか微妙に恥ずかしいね」 俺「1926年の素晴らしきぞろ目の日である11月11日。カールスラント北東部、バルト海にほど近いデムナウの町に生まれた」 伯爵「現実で言えば、ポーランド回廊で区切られた東プロイセンだね」 俺「だが、育ったのは移住した先のバルト海に面する港湾都市ブラウンスベルクだ」 伯爵「海運が盛んでね、陽気な船乗り達も多いいい町だよ」 俺「つまり、伯爵の性格はそういう開放的な雰囲気で育ったことにあるかもしれないってことだな?」 伯爵「かもね」 俺「ふむふむ。さて、そんな海沿いの町で育った伯爵だが、親はなんと公務員と家庭的には平凡だった」 伯爵「ただ、そしたらウィッチとしての能力が発現しちゃったんだよね。とはいっても、その頃は適当に『適正年齢になったら軍に入ろうかな』程度に考え始めただけだったけど」 俺「と、ここで俺チェーック!!」 伯爵「ちょっと待って」 俺「なに? 今いいとこなんだけど?」 伯爵「さも当然のように言ったけさ、『俺チェック』ってなんだい?」 俺「ふっ、簡単だ。俺が単に『ここのクルピンスキーはいい!!』と思ったポイントを語るんだ!!」 伯爵「あぁ、そう……やっぱり君、本人目の前でも変わらないんだね」 俺「伯爵だって、ジョゼの前でジョゼを褒めたりとか余裕だろ?」 伯爵「いや、まあそうなんだけど(自分がやられるのって、なんか調子狂うなぁ……)」 俺「この時伯爵……いや、ブラウンスベルクの少女ヴァルトルートちゃんは、海軍に入隊したいと思っていたんだ」 伯爵「あってるけど、その呼び方なに?」 俺「しかも理由が『色々な国に行けるから』だ!!」 伯爵「いいじゃないか。ブラウンスベルクは港湾都市で、船乗り達がよく外国の話をしているのを聞いてて、外国に興味持っただけなんだからさ」 俺「誰も文句は言ってないぞぉ!! それどころか感動している!! 『お船に乗ったら色んな国を旅できるよね』と海軍入隊を夢見る少女ヴァルトルートちゃん……く~! なんとも少女らしくてかわいいじゃねえか!!」 伯爵「まあ、ありがとうと言っておくよ」 俺「やばいみなぎってきたー!! 誰かタイムマシン作ってくれ、抱きしめにいきたい!」 伯爵「やだなー、多感な時期に君みたいな変態に襲われたら、ボクの健やかな成長に悪影響が出るじゃないか」 俺「そのまま憲兵にしょっぴかれても俺はかまわん」 伯爵「見上げた変態根性だね……」 俺「愛だよ、愛」 伯爵「はいはい」 俺「実際のとこは航空ウィッチの適正が判明したから空軍の養成学校に行くことになるんだけどな。ただ、ここでもう伯爵らしさを発揮する」 伯爵「楽しい楽しい寮生活だったよ。友達と一緒に寮監の目を盗んで脱走して夜の街に繰り出したり、いたずら仕掛けたりね。あー、あの頃も輝いてたなぁ」 俺「軍人になるという自覚が全然感じられないけど、伯爵らしい話だ。模範的とは対極にあるが、この頃からなんだかんだで人の輪の中心にいたんだろうな」 伯爵「だけどボク、これでも成績は優秀だったんだよ?」 俺「問題なく卒業して少尉に任官してるしなぁ。主席争いするくらい成績優秀ながら危うく任官できなくなるところだったロザリンドさんとはなぜこうも違うのか」 伯爵「元々の家庭環境とかが複雑だからねハンナは。ボクが会ったばっかりの頃は、荒れた反抗期みたいな感じだったし、上官うけは悪そうだよ」 俺「え? なにその自分は上官との関係良好みたいな発言は?」 伯爵「ふふっ、これでもボクのコミュニケーション能力は一級だよ? それに、いたずらだって笑顔で終われるいたずらしかしないよ」 俺「あー、確かに伯爵ならそうか」 伯爵「話戻るけどさ、ボクは少尉になった後はカールスラント空軍第52戦闘航空団の第6中隊に配属されたんだよね」 俺「JG52か……恐ろしい面子の揃っていた部隊か」 伯爵「そうだねー、エディータとラルとの長い付き合いもここが始まりだし、当時はまだボニン隊長も現役だったし、くまのぬいぐるみ大好きなハンネ・ダンマース、それにバルクホルンもいたね」 俺「さらに、後にはエーリカとマルちゃんも配属される……撃墜数がおかしいぞ化け物ばっかじゃねーか」 伯爵「参っちゃうなぁ? これもボクの人徳ってやつかな?」 俺「それはない」 伯爵「あ、やっぱり?」 俺「うん。ロスマン先生やボニンさんを指すならまだわかるが」 伯爵「ちぇー」 俺「まあとにかくこんな大エースばかりの部隊に配属された伯爵は、ヒスパニア戦役は終わってたんで、古参曹長に鍛えられながら日々を過ごしていたわけだ」 伯爵「任務中はともかく、普段のエディータは意外に楽しいこと好きだったし、他のみんな気のいい人たちばかりだったしね」 俺「なるほどなぁ。んでもって、ネウロイの襲来時にはもう飛行経験が充分な中堅ウィッチと見なされていた、と」 伯爵「懐かしいなぁ、その頃だよ、エーリカとハンナに会ったのは」 俺「そりゃ、着任してきた二人の目の前に火を噴くストライカーで不時着、そのまま涼しい顔で握手を求める、なんてことやってりゃ忘れられないだろ。つーか、その頃からもうユニット壊しだったのかよ」 伯爵「違うよ、ボクだって好きで壊してるんじゃないんだ。勝手に壊れるのさ」 俺「定番の言い訳すぎるからスルーするな? 新たに着任したエーリカとマルちゃん。伯爵はどちらかって言うとエーリカ側だったんだっけ?」 伯爵「そうだね。エーリカは最初はエディータの、後にはボクの僚機だったよ」 俺「つまり、エーリカに一撃離脱戦法を教えた一人でもある、と?」 伯爵「それはほとんどエディータだよ。ボクはせいぜい肩肘張りすぎない『楽しい軍隊ライフ』を教えてあげたくらいかな」 俺「戦闘関連は皆無かよ!」 伯爵「上手な息抜き方法を覚えるのは過酷な任務をこなすウィッチには必須だろう? まあ、実際のところエディータがだいたい教えていたし、才能もあったしボクが出る幕はあんまりなかったね」 俺「そのロスマン先生からは『私のかわいいハルトマンがニセ伯爵のせいであんなぐーたらに……』と本気と冗談が半々のコメントをもらってるけどな」 伯爵「エディータはちょっと溺愛しすぎな気もするけどね。結局、エーリカが撃墜数を伸ばし始めたのはバルクホルンの中隊に移ってからだし」 俺「トゥルーデと言えば、マルちゃんが部下だったな」 伯爵「あー、バルクホルンってばかなりハンナにてこずってたね。当時のハンナは捻くれてたからね。珍しく酒を飲んだバルクホルンが『あいつは信用ならん!』とか息巻いてたし」 俺「腕は確かな分たちが悪いって感じだったかもな。結局、馴染めなくてJG27に転属になっちゃうんだよなぁ」 伯爵「うん。ボクはあんまり話したことはなかったけど、悪い娘って感じじゃなかったよ。美人だったし、もっと構ってあげればよかったかなぁ?」 俺「まあ、エーリカとトゥルーデのゴールデンコンビっぷりを見ると、最初の上官をチェンジしてみたらどうだったんだろうか、とか考えるけどな」 伯爵「つまり、ハンナがボクの僚機だったらってこと? そうだなぁ、まずは飲ませたね」 俺「いきなりだなおい、どうしてだよ?」 伯爵「あんな捻くれ者は一回酒でも投下して洗いざらいぶちまけさせちゃえばいいんだよ。家庭内不和とかもあったらしいから、内心は寂しがりやっぽいし、理解してあげればそれなりに素直になってくれるよ」 俺「まあ、酒好きで明るい性格、優雅な身のこなしとか共通点はあるから、案外仲良くなったかもしれん。ただ、その場合は確実に伯爵の悪影響受けるわけだ」 伯爵「悪影響とはまたひどい言いようだね」 俺「だってよ、想像しろよ。伯爵の影響受けたマルちゃんとか……」 おケイさん『こらー! あんた昨晩またやったわね!!』 マルちゃん『ひどいなケイ。ちょっとライーサと一緒に酒を飲んだだけだ』 おケイさん『どこがちょっとよ! ならなんでライーサが全裸なのよ!!』 マルちゃん『アフリカは暑いからなぁ。寝汗をかいたら大変だろう?』 おケイさん『よくもまあそんな白々しい言い訳を……』 マルちゃん『そう言われてもね。……あ、もしかして』 おケイさん『なに?』 マルちゃん『ケイ、妬いてる?』 おケイさん『だ・れ・が・や・く・か!!』 マティルダ『ああ神よ、これが本当に鷲の使いなのでしょうか……』 伯爵「なんだ、とっても愉快そうじゃないか!」 俺「いや、ダメだろ!! どことなくこれもアリな気がするとかいう電波が来るけど、キャラがおかしなことになってるから!! かっこよさがどこか吹き飛んでるから!!」 伯爵「親しみが湧くと思うけどなぁ……」 俺「やっぱり、現実が実は一番なんだ、うん」 伯爵「なんだろう、それが現実逃避気味な発言に聞こえるよ」 俺「さあ話を変えるぞー、オストマルク撤退戦からカールスラント撤退戦にかけて伯爵は撃墜数を伸ばすんだが、この時次々とストライカーを破壊とまたもやらしさを出す」 伯爵「でも、1機のストライカー全損までの間の撃墜数は中位のエースなんか比べ物にならないくらいの数値だったよ?」 俺「補給が続く限りはそれでいいんだよ。だけど伯爵のいた東部戦線は補給がピンチだったろ? 結局自分で補給物資受け取りに何度も後方まで行ったらしいじゃねーか」 伯爵「しょうがないよ。だって物がなかったんだから。あと、ちょっとした怪我のついでだったりするし」 俺「撃墜されまくってるからな。戦傷章は最上位の金賞もらってるんだって?」 伯爵「でも今まで沢山撃墜されたけど軽い怪我しかしたことないんだ。だから何度も戦傷章は断ってるんだけどね」 俺「それでも最上位という数の多さをどうにかしろ、ストライカーも壊してるんだろどうせ」 伯爵「覚えてないなぁ」 俺「やれやれ熊さんの苦労が偲ばれる。さて、こんな伯爵もビフレスト作戦中に中尉に昇進、カールスラント東部の民衆撤退を成功させた後は部隊ごとスオムスに一時移動するわけだ」 伯爵「そしてバルバロッサ作戦に参加したんだよね。そこで、ボクの華麗な戦果が認められて第502統合戦闘航空団に転属、今に至るってわけだ」 俺「こうして経歴を見てきたけど、あれだ。やっぱ伯爵らしいわ」 伯爵「まあね、ボクはいつだって素直に生きているから」 俺「無類の酒好き女好きの享楽主義者で楽天家、全く軍人には思えないけどな」 伯爵「みんながみんな杓子定規ながちがちじゃあつまらないだろう?」 俺「それには合意するな。俺も、そんな感じで飄々としてるのに、どうしてか人を惹きつけてやまない伯爵に魅了されたわけだし」 伯爵「おやおや、上手いこと言うね」 俺「事実だよ。適当で次になにをしでかすかわかり辛いところも、魅力だ」 伯爵「ふふ、ありがとうと言っておくよ」 俺「まあ、トゥルーデには警戒されてるがな」 伯爵「え? そうだっけ?」 俺「そうだ。そしてここで二回目の俺チェーック!!」 伯爵「あ、忘れかけてたよそれ」 俺「俺としてはこの逸話は外せないんだ!!」 伯爵「どの話?」 俺「ちょっと休暇もらったんで、クリスのお見舞いにアポなし突撃の伯爵」 伯爵「ああ、その話か……」 俺「だけど、前にクリス回復の報を聞いて花束を贈った時、下心がないのにいつもがいつもなんでお姉ちゃんには警戒されてて、クリスには『姉から女たらしでいいかげんな人だと聞いています』と素直に言われちゃうわけ。 『まいったねこりゃ』とか苦笑する伯爵だったが」 伯爵「クリスちゃんはやっぱりいい子だよね『でも、花束いただいて本当に喜んでました』こっそり教えてくれるんだから」 俺「これを俺が一押しする理由は伯爵の人となりがとてもよくわかる話だからだ!! ふらっと見舞いに来る、女たらしと警戒される、でも初対面のクリスちゃんから最後の一言を引き出せるカリスマ。伯爵の魅力がすぐわかるね!!」 伯爵「ボクは普段通りにしてただけだけどなぁ……」 俺「そこがいいんじゃないか!! いつも自然体なところが!!」 伯爵「そうかい?」 俺「そうだ! 自然体があってこそ、すらりとした身長と優雅な身のこなしが絶妙な合成をされ『プンスキー伯爵』というあだ名がつくんだ!! 生まれながらの貴族のような雰囲気を、作ってるんじゃなく自然体でかもし出すからこそのあだ名なんだ!!」 伯爵「そ、そうなんだ……」 俺「そうだ!! それに見てくれよフミカネ氏の描いた伯爵絵を! ポケットに手をつっこみまるで壁に背を預けてデート相手を待っているかのような姿! 口元に浮かぶかすかな微笑み!! どこか色気を感じさせるような眼差し!! だけどやっぱり気品がある感じ!! たまらねえ! たまらねえ!! たまらねえ!!!」 伯爵「うわ……」 俺「それにあの使い魔の垂れ耳がいいな。全体のちょっと緩めな雰囲気に合ってるしさ。こう撫で回したい!」 伯爵「どう、も?」 俺「あとワイマラナーってチョイスが完璧! ワイマラナーってのは、外見は優美、高貴、かつ力強く、全てにおいて均整のとれた体つきで、見目麗しい。非常に優秀な狩猟犬・番犬となりうるが、作業意欲を発揮させてやらないと問題犬になりうる。そんな犬種だ。 なんだこれ伯爵らしさでまくりだよすげーよ!!」 伯爵「うわあ、また暴走してる……」 俺「そうだ、俺としてはあの癖っ毛も外せない」 伯爵「あんまりいいものでもないよ? あのせいで髪を伸ばせないし」 俺「それがいいんだよ本日三回目の俺チェーック!!」 伯爵「え?」 俺「癖っ毛のせいで女の子らしい長い髪にできないから、ロスマン先生とかの髪の毛がちょっと羨ましいとか俺得すぎる!!」 伯爵「いや、そこまでは言ってないし」 俺「とにかく、俺としてはあのくるっとなった毛先を指でいじったりしたいんだよ! 特に後頭部やばいもふりたい!」 伯爵「さ、さすがだね。なんでも対応するや……」 俺「それにおっぱいも忘れちゃいけない!!」 伯爵「胸かい?」 俺「そうだ! 身長175cmであるがゆえに目立たないが、中々のサイズを誇っている! 巨乳というには今一歩足りないかもしれない が! 大きめの中おっぱいだぜヒャッホウこりゃまいったね最高じゃないか!!」 伯爵「俺……元気だね」 俺「俺が中おっぱいが好きなのはなんといっても全体的な均整だ! その点伯爵見てみたまえ! 伯爵の長ズボンに覆われたがゆえに余計に強調される細く長い足のから綺麗に頭の先まで続くこの芸術的ライン!! 神は存在したのだ!!」 伯爵「そんなに褒めても何も出ないよ?」 俺「よいものをよいと言ってなにが悪い!! それに見返りを求めていると取られるとは心外だぞ伯爵! 俺はただ素直に心に従っているだけだ! 打算のようなものは一切ない!!」 伯爵「そ、そっかぁ……」 俺「そしてこのまま最後の俺チェーック!!」 伯爵「あれ? 君の好きな中おっぱいも終わったのに?」 俺「中おっぱいは以前語ったから皆も知っているだろうしここではあえて俺チェックからは外した。だが、伯爵の魅力として俺はこれを外せない!! それはずばり、伯爵の恐ろしいまでの華奢さ!!!」 伯爵「ボクって、そんなに華奢かい?」 俺「華奢だろ!! まず足! 細い細い言ってたが、膝下なんか細すぎるだろお前ちょっとでぽきっといっちゃいそうだよ!! 太ももだって肉が少なくてこうちょっと心配になるくらいの細さ! そして女の子なのにヒップはかなり小さめ。まあこれはこれでまた手にぴったり合いそうで嬉しいけどさ! それなのにさらにウエストは絞られてるんだぞ? これを華奢と言わないでなんとするんだ!!」 伯爵「そう、なのかなぁ?」 俺「女好きのプンスキー伯爵なのに、その体はどんな女の子にも負けないくらい華奢で頼りない……うぼぁー!! ギャップだよ!! 素晴らしいギャップだよぉ!!! ほわあああああああ!!!」 伯爵「うわあ、壊れちゃった」 俺「ガイアが俺に囁いている!! 想像しろと!! 半分冗談で抱き寄せたら、伯爵の繊細なガラス細工のように折れやすそうな華奢な足や腰に初めて気づいた、というシチュエーションを!! くそっ!! 俺はどうしてこんなおいしいイベントを回避してしまったんだ!!」 伯爵「ねえ、ちょっと落ち着かない?」 俺「いや、だがしかしだ。見て気づくだけではなく実際に抱き寄せてみたらさらに現実の感触が見た目以上の感動を伝えてくれるに違いないな、うん。 なあ、伯爵?」 伯爵「なんだい?」 俺「抱きしめていい?」 伯爵「それはちょっとご遠慮願おうかな」 俺「なぜだああああああ!? 俺の愛が伝わらないのか!!」 伯爵「そりゃだって君、今までの流れを思い出してみなよ」 俺「なにっ?」 伯爵「世界中のウィッチに愛を、とか言ってたらそりゃ信用されないさ」 俺「ぐっ……まさかこんな時に502での伯爵みたいに相手にされないとは……いや待てよ、俺の本当の気持ちを伝えれば別ということか!! よろしい、本懐である……!」 伯爵「え……?」 俺「確かに俺は世界中のウィッチが好きだ! だが、だ!! その中でも伯爵は格別だ!! そう、ここに宣言しよう! 諸君、私は伯爵が好きだ! 諸君、私は伯爵が好きだ! 諸君、私は伯爵が大好きだ! 少女時代が好きだ 軍人時代が好きだ 癖っ毛が好きだ 女好きなのが好きだ 酒好きなのが好きだ 使い魔の耳が好きだ 華奢な体が好きだ 優雅な所が好きだ おっぱいが好きだ 平原で 街道で 塹壕で 草原で 凍土で 砂漠で 海上で 空中で 泥中で 湿原で この地上で見ることのできるありとあらゆる伯爵が大好きだ!」 伯爵「え、あれ……?」 俺「もはや『好き』という言葉では表現しきれない……」 伯爵「あ、えと……」 俺「そうだ! 俺の心を占めているのは! 情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さそしてなによりも速さでもない!! この気持ち、まさしく愛だ!!! 抱きしめたいなぁ伯爵!!」 伯爵「……」 俺「世界中のどんなウィッチよりもぉおおお! 伯爵……いや、ヴァルトルート!! お前が、欲しいいいいいいいいい!!!」 ページ先頭へ